スピードと切れ味が要求される
2022年4月2日に中山競馬場で行われる第54回ダービー卿チャレンジトロフィー(ダービー卿CT)。以前から、いったい何にチャレンジしているレースなのか不思議に思っていた。
そこで歴史を調べてみると、1969年にイギリスから3人の騎手を招待して計4つのレースが行われ、そのうちのひとつが第18代ダービー卿伯爵からトロフィーの寄贈を受けたことを記念して創設されたとのこと。ちなみに、設立当初は東京競馬場の1800mで行われていたが、現在は中山のマイル戦として定着。
最近は良馬場だと1分33秒を切ってくることが多く、秋の京成杯AHと同様に、中山の競馬にしてはスピードと切れ味が要求される印象がある。そんなダービー卿CTは、データ的にどのような傾向があるのだろうか。今回も過去10年のデータを基にして検証していきたい。
☆所属、性別、年齢
美浦10連対(5勝)、栗東10連対(5勝)。出走頭数もほぼ同数で、全くの互角といっていい。性別は牡馬・セン馬が17連対(8勝)。ただ、出走頭数は牡馬・セン馬が147頭に対して、牝馬は12頭しかいないので、勝率、連対率は牝馬の方が上となっている。
年齢はというと、5歳馬が8連対(6勝)とほかの世代を圧倒している。3着も7頭いるので、馬券に絡んだ30頭中、半分の15頭が5歳馬ということになる。6歳以上は1頭しか勝ち馬が出ていない(2020年クルーガー)。美浦所属で7歳以上となると、該当する21頭すべてが馬券外に沈んでいる。
☆ハンデ
ハンデは牡馬・セン馬と牝馬を別にして考える。まず牡馬・セン馬だが、勝ち馬が出ているのはハンデ55キロ以上を背負った馬。連対数が多いのはハンデ55キロで7連対(4勝)。あとハンデ57.5キロを背負った9頭から2頭の勝ち馬が出ている。一方の牝馬だが、勝った2頭ともハンデが53キロだった。
☆前走人気と前走クラス
前走で3番人気以内に支持された馬は7勝。1、2、3番人気とも連対率が22%を超えており悪くない数字。といって前走で低評価の馬が全く駄目かといえばそうでもなく、11、12番人気だった馬からも連対馬が出ている。
前走クラスはというと、最も成績がいいのは5勝を挙げている3勝クラス組。勝った5頭とも前走1着だった。「ハンデ戦は前走勝ちの昇級馬が狙い」とは、とある先輩から聞いた助言だが、まさにその通りの傾向となっている。連対数が最も多いのはGⅢの8連対(4勝)。GⅠ、GⅡ組から勝ち馬は出ていない。
☆その他
そのほかで気になったデータを挙げてみる。まず生産牧場。ノーザンファーム生産馬が6勝。出走馬が37頭と多いが、半分以上の勝ち星を挙げているのはさすがである。同グループの社台ファームは0勝と振るわない。ノーザンファーム生産馬と着外の数は似たようなものと考えると、相性のよくないレースなのだろう。前走1、2着だった馬も同様に6勝を挙げている。また、前走で馬体重が520キロ以上あった馬は7連対(4勝)で、連対率が30%近くもある。
マイナスデータの方だが、中15週以上あいていると連対馬がいなくなる。今年だと、前走が12月上旬以前だった馬が該当。前走で1.5秒以上負けている馬からも連対馬は出ていない。また、前走から距離短縮した馬の成績が、同距離や距離延長だった馬と比べてかなり悪い。最後に血統だが、ディープ産駒(1勝)、または母の父サンデーサイレンス(0勝)に該当する馬。実績を考えると、この成績は不満だ。