前走、中山出走の馬を探せ! ポイントは3つの前走レースにあり!
「思えば遠くへ来たもんだ」。私が、ふとした時に口にするフレーズである。産まれた頃の映画のため、見たのはずいぶん後になってからだったが、今でも忘れることが出来ない作品の一つである。
舞台は故郷・秋田県の角館。この街は桜が有名で、武家屋敷通りのシダレザクラや桧木内川堤の2kmにわたるソメイヨシノのトンネルは忘れることの出来ない光景だ。今の自粛生活が終わったら是非足を運びたい。
さて、今週は春の古馬戦線の主役に名乗り上げたいメンバーが揃った日経賞。旅の資金を稼ぐべく予想をしていきたい。

まずは近10年間の前走レース別成績を振り返ってみよう。
日経新春杯[3-1-1-6]
有馬記念[2-3-3-7]
AJCC[2-1-3-13]
ジャパンC[1-1-0-2]
松籟S[1-0-0-1]
ダイヤモンドS[1-0-0-14]
京都記念[0-2-0-9]
早春S[0-1-0-1]
菊花賞[0-1-0-2]
実に4頭の勝ち馬が中山のGⅡ以上をステップにこのレースを制している。まず最多3勝をあげている日経新春杯組だが、当日4番人気以内に支持されていると[3-1-0-3]なのに対し、5番人気以下だと[0-0-1-3]となっている。前走9着から巻き返した2019年のメイショウテッコンなどもおり前走着順は不問だ。当日の人気に注目したい。
次に有馬記念組。2016年は3着内をゴールドアクター、サウンズオブアース、マリアライトが独占、昨年はカレンブーケドール2着、ワールドプレミア3着と好相性。特に有馬記念4着以内の馬は[2-1-1-2]で複勝率66.7%と好走が目立っている。
そしてAJCC組は近年、負けた馬の逆襲が目立つ。同レース連対馬は[0-0-1-4]、3、4着馬は[1-1-0-1]、5着以下は[1-0-2-8]。2020年の勝ち馬ミッキースワローは4着から、昨年の勝ち馬ウインマリリンは6着から巻き返してきた。
ジャパンC組は2013年に1番人気で制したフェノーメノ、2014年に10番人気ながら2着に入ったホッコーブレーヴが馬券に絡んでいる。ダイヤモンドS組は2012年、京都記念組は2013年を最後に馬券に絡めていないのが気がかりだ。

また覚えておきたいのは東西格差が少ないという点。
関東馬[5-3-4-58]
関西馬[5-7-6-47]
勝ち馬の数では互角。特徴的なのは関東馬が2番人気以内のときは[3-1-0-3]なのに対し、関西馬は[1-4-2-6]と馬券には絡んでいるが、勝ったのは有馬記念2着で当日1番人気だった2014年のウインバリアシオンただ1頭。単系の馬券を好むファンは頭の片隅に置いておきたい。
中山芝2500mは「ステイゴールド産駒」の独壇場だ!

次に2012年から2022年3月18日までに中山競馬場で行われた芝2500mの101レースを紐解き、当該コース巧者を探っていきたい。まずは騎手部門。
第1位 戸崎圭太[10-8-2-32]
第2位 C.ルメール[6-5-7-9]
第3位 横山典弘[6-1-7-31]
第4位 大野拓弥[5-1-2-39]
第5位は7人の騎手が並んだため、今回は4位までを紹介する。唯一10勝以上を記録しているのは戸崎圭太騎手。複勝率も38.5%を記録している。第2位は勝率22.2%、連対率40.7%、複勝率66.7%とハイアベレージのC.ルメール騎手。もちろん馬券を買う際は外せない存在だ。以下、横山典弘騎手、大野拓弥騎手と続く。5位タイの中では吉田隼人騎手をマークしておきたい。[4-2-2-11]で複勝率は42.1%を記録している。

次に種牡馬ランキング。
第1位 ステイゴールド産駒[21-18-15-101]
第2位 ハーツクライ産駒[9-10-9-73]
第3位 ディープインパクト産駒[9-9-12-93]
第4位 キングカメハメハ産駒[4-7-9-65]
第5位 ルーラーシップ産駒[4-1-2-28]
トップは圧倒的な差でステイゴールド産駒となった。勝率13.5%、連対率25.2%、複勝率34.8%。ただ1頭ずば抜けた好成績だ。また、第2位のハーツクライ産駒、第3位のディープインパクト産駒も安定した成績を残している。ランク外ではエピファネイア産駒が[3-0-0-1]と、母数は少ないが好成績をあげている。昨年有馬記念でエフフォーリアが1着、アリストテレスが9番人気で6着。他にはベデザンジュが1勝クラス、2勝クラスを快勝している。
中山巧者をキーワードに本命はアサマノイタズラ
3月20日時点の出走予定馬の中で、一番気になるのはアサマノイタズラ。この馬に本命をつけたい。デビュー以降10戦中8戦が中山競馬場での出走。その中にはセントライト記念制覇やスプリングS2着などが含まれる。
また近4走は2200m以上を走り続けておりスタミナ面も心配無用だろう。前走はAJCC4着。父ヴィクトワールピサ産駒は当該舞台で[1-2-1-6]と苦にしていない。末脚もきちんと使えるタイプなだけに面白い存在になりそうだ。
対抗は相手なりに走れるボッケリーニ。デビュー以降[5-5-2-6]で掲示板を外したのはわずかに2回。条件戦で戦っていた頃は1600mから1800mを走り続けていたが、オープンクラスにあがってからは1800m以上で戦い続け中日新聞杯を制した。初めて挑んだGⅡ・AJCCでは3着と好走し中山の坂を苦にしない姿も見せた。全兄にGⅠ・2勝のラブリーデイがいる。勢いに乗っての重賞2勝目に期待も大きい。
3番手にタイトルホルダー。菊花賞馬で弥生賞も勝利しておりここでは実績上位。しかし、有馬記念5着以下からの参戦は[0-2-2-5]と勝ち馬が出ておらず、その点にいささか不安を残す。
以下、穴でステイゴールド産駒のクレッシェンドラヴまで印を回しておきたい。
◎アサマノイタズラ
◯ボッケリーニ
▲タイトルホルダー
△クレッシェンドラヴ
《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレース、競輪の記事を中心に執筆している。
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