今年の菊花賞は異常事態
阪神開催となった菊花賞、馬券を組み立てるうえで果たして例年の菊花賞との違いはあるのだろうかと気になる部分だろう。今回のコース条件である阪神3000mといえば阪神大賞典しか行われない。時期と古馬戦である違いはあるが、レースの性質などは読み取れるかもしれない。菊花賞の過去傾向を思い切って捨て、阪神大賞典の過去傾向から今年の菊花賞馬を探してみようと思う。
阪神大賞典直近5年の結果を見ると目につくのが5年のうち4年で1着馬が上がり最速だったこと。今年3月の阪神大賞典では2,3着馬が上がり1位だったが、3位のディープボンドが圧勝しているので、上がりを出せるのは絶対条件に見える。
ただしこれは罠だ。長距離戦であることを忘れてはいけない。これは上がり最速が出せそうな馬を探すというより残り600mで余力がしっかりある馬が上位を占めたというほかにないからだ。上がりが出せなかった馬たちは、加速する余裕がないか、バテてしまったということである。上がり上位は「生き残った」証明でしかない。
それは前走成績が全くアテにならないことにも関連している。直近5年の阪神大賞典3連対のうち、前走馬券圏外だった馬は15頭中9頭と半数以上を占めている。前走上がり順位でも4位以下だった馬が15頭中8頭という結果となっている。
これは前走が大体2000m台までの馬が多かったことに影響する。あまりにも阪神3000mという条件はオンリーワンであるため、他のコースやメンバーで勝っていたり、上がりを出していても阪神3000mで同じように走れることを期待する要素にはならないということだ。
そんなレア条件が3歳のクラシックで登場する。せめて京都であれば、過去血統傾向などで期待できそうな馬を出すこともできようが……ともかく、今年は予想が大変である。














