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【富士S】黄金の3つの条件を満たすのは1頭だけ!馬年齢に要注目だ!

2021 10/19 17:00高橋楓
富士Sで注目したい3つの条件,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

注目は5歳馬まで!前走レースの距離にも要注目だ!

本当に日本人は「〇〇富士」という言葉が大好きだと感じる場面が多々ある。私の故郷秋田県にも「出羽富士」こと霊峰鳥海山がそびえている。秋田県と山形県を跨いでいるため、山形県民にとっては「庄内富士」と言った方が聞こえが良いだろうか。

東西南北、見る角度によって全く違う姿に映るのだが、個人的には国道108号線で由利本荘市という町から鳥海山方面へ向かう途中、駅名で言うと「子吉」「西滝沢」というポイントがあるのだが、そこから見える眺めは正に富士山を連想させるような雄大さで、故郷秋田県を離れて20数年たつが今でも忘れる事が出来ない。

話を競馬に戻そう。そんな富士がレース名になっている「富士S」でポイントになりそうな点に注目して予想をしていきたい。

過去10年年齢別成績,ⒸSPAIA


私にとっての当レースは、ジャパンカップ招待馬の脚慣らしや帯同馬のための1800mで行われていた「オープン競走」のイメージが頭からどうしても離れない。

その後はスプリンターズステークスやマイルチャンピオンシップの前哨戦として、距離だけでなく格付けも「GⅢ」に姿を変え、今ではマイルチャンピオンシップの重要なステップレースとして「GⅡ」に昇格した。

近年の勝ち馬を見ると、皐月賞からここへ挑んだ2015年ダノンプラチナ、秋の飛躍を狙い出走してきた2017年エアスピネル、ヴィクトリアマイルを制した後にここから始動を開始した2019年ノームコアなど多種多様な顔ぶれが並ぶ。まず気にしておきたいのは年齢別の成績。

3歳[3-2-2-31]
4歳[5-4-2-12]
5歳[2-3-6-32]
6歳[0-1-0-33]
7歳以上[0-0-0-18]

と5歳馬までが圧倒的な数字を残しており、6歳以上になると1番人気に支持された2020年サトノアーサーが9着、2014年ダノンシャークが7着に沈んだ。

3歳馬は3勝しているとはいえ2019年アドマイヤマーズ、2016年ロードクエストと2頭がNHKマイルカップで連対しながら、ここで1番人気を裏切っているだけに過信は禁物だ。年齢の点に着目するならば、4歳馬が勝率21.7%、連対率39.1%と抜群の数字を残している。

過去10年前走距離別成績,ⒸSPAIA


次に前走の距離別の成績を見てみると以下の様になる。

1200m[0-0-0-1]
1400m[0-0-1-6]
1600m[6-7-6-79]
1700m[0-0-0-4]
1800m[1-2-1-14]
2000m[2-1-0-13]
2200m[1-0-2-2]
2400m[0-0-0-6]

当レースの舞台は府中の1600m戦。向こう正面右奥からスタートし3、4コーナー以外は全て直線で構成されている。最後の直線は長い上になだらかな坂となっていてスピードだけでなくスタミナも要求されるタフなコースだ。

前走1600m戦組で言うと安田記念やヴィクトリアマイルからの転戦馬、また京成杯AHの好走が目立つ。また、毎日王冠、セントライト記念、皐月賞、札幌記念といった距離短縮組からも勝ち馬が誕生しており、明確な黄金ローテーションは見当たらない。

先にも書いたが、スタミナが要求されるコースなだけに、短距離戦でしか好走実績が無い馬には厳しいレースが予想される。

「C.ルメール騎手」×「ディープインパクト産駒」ならば鬼に金棒

東京芝1600m限定騎手リーディングランキング,ⒸSPAIA


2011年1月1日から2021年10月15日までに東京競馬場の芝1600m戦が行われたのは合計で731レース。まずは騎手別で当該舞台の成績を紹介すると下記の様になる。

第1位 C.ルメール[73-43-31-112]
第2位 戸崎圭太[64-46-36-253]
第3位 北村宏司[41-40-36-316]
第4位 横山典弘[39-29-28-249]
第5位 三浦皇成[36-39-23-274]
となる。目立つのはやはり「C.ルメール騎手」の勝率28.2%、連対率44.8%、複勝率56.8%という圧倒的な数字だ。また、ベスト5以外に目を向けると「川田将雅騎手」が[14-9-11-53]と騎乗機会が少ない中でもしっかりと成績を残し、複勝率39.1%を記録している。

東京芝1600m限定種牡馬リーディングランキング,ⒸSPAIA


次に種牡馬ランキング。

第1位 ディープインパクト産駒[128-94-83-539]
第2位 ダイワメジャー産駒[45-29-34-302]
第3位 ハーツクライ産駒[43-33-30-275]
第4位 キングカメハメハ産駒[36-39-31-296]
第5位 ステイゴールド産駒[24-20-29-195]

トップは「ディープインパクト産駒」で出走回数が多いとはいえ、とんでもない程の差をつけ独走状態だ。ランキングを改めて見るとマイルを印象させる種牡馬はダイワメジャーくらいで、あとは現役時代を含め中距離実績のイメージが強い名前が並ぶ。

ここまで何度も紹介しているが、府中のマイルはスピードだけでなくスタミナが要求される舞台という事を裏付ける結果となった。またベスト5には入っていないが「ルーラーシップ産駒」が[17-14-10-98]で連対率22.3%、複勝率29.5%という非常に優秀な成績を残している。

好条件が目白押しの「アルジャンナ」が本命だ!

1勝馬ながら「アルジャンナ」を本命視する。ここまであげた「4歳馬×C.ルメール騎乗予定×ディープインパクト産駒」と条件が揃っているだけに侮れない存在だ。

春のマイラーズカップでは上がり一番時計の末脚を繰り出しながら3番人気2着。前走のエプソムカップは1番人気に支持されながら積極策が裏目に出たのか10着と大敗したが、ここまで世代戦が中心とはいえ重賞で2着3回、3着1回とあと一歩のところまでは来ている器。しっかりと脚を溜め直線で弾けられれば自ずと結果はついてくるだろう。

対抗は「ダノンザキッド」を推奨する。皐月賞では1番人気に支持されながら故障の影響もあり15着と敗れたが、敗因はハッキリしているだけに心配は無用だろう。直前の追い切りでも当日騎乗予定の川田将雅騎手を背に納得の走りを披露。ここならば圧勝しても何ら不思議無いが、ジャスタウェイ産駒が2011年以降の当該舞台で[3-2-2-47]と奮っていないだけに少々割り引いた。

3番手は関屋記念を制しここに挑む4歳牝馬の「ロータスランド」にする。前走は逃げた10番人気のマイスタイルが4着に残るやや前残りの展開となったが、実に気分よく走り快勝の内容だった。中京記念でもしっかりと先手をとれているし充実一途の現状ならば上位争いでもおかしくは無いだろう。

あとは東京初見山という点がどうでるかだが、牝馬の場合、当日6番人気以内だと[1-2-2-1]、7番人気以下だと[0-0-0-5]と成績がハッキリ分かれる。当日の人気には要注目だ。あとは前走大敗もエプソムカップの内容を評価し「ザダル」、関屋記念を3歳牝馬ながら1番人気3着だった「ソングライン」まで印を回したい。

◎アルジャンナ
〇ダノンザキッド
▲ロータスランド
△ザダル
×ソングライン

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレース、競輪の記事を中心に執筆している。

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