最後は流して4馬身差の楽勝
2017年には後にダービー馬となるワグネリアンが勝利。その他重賞級で活躍する馬を多数輩出している出世レースの野路菊S。今年は中京芝2000mを舞台に争われ、シルバーステート産駒の牝馬ロン(栗東・石橋守厩舎)が1:59.8というタイムでレコード勝ちした。
好スタートを切り、新馬戦と同様にハナを切るかと思ったが、鞍上の武豊騎手は先々のことも考えてか控える競馬を選択。1角ではやや手綱を引っ張りながら折り合いに専念するような面も見せたが、その後すぐにピタリと折り合い4番手を追走する。
3角からじわっとポジションを押し上げ直線へと向くと残り300mで先頭へ。右ムチが3、4発入ったものの、ラスト100mは流しての楽勝。2着クラウンドマジック(栗東・加用正厩舎)に4馬身差をつけた。
この日は3Rに行われた2歳未勝利戦でもレコードがマークされるなど、時計が出やすい馬場だったと言える。しかし、レースラップは最初の1ハロンが13.2と遅かったものの、その後は11.4-12.0-11.7-12.2-12.3-12.0-11.7-11.4-11.9。中盤が極端に遅くなることもなかった中で、まだまだ余裕を感じさせたレースぶり。新馬戦で強い勝ち方をしてきた牡馬相手だったことも価値がある。
牝馬ではすでにステルナティーアやソネットフレーズ、ナミュールなど大物感のある馬が出てきているが、いずれも瞬発力に秀でたマイラータイプで桜花賞向き。対してロンは2000m前後が良さそうな中距離タイプでオークス向きだと言えるだろう。
マージャン用語では「アガり」を意味する「ロン」。将来性を語る上ではまさにその言葉がピッタリで、馬名の由来もそこから来ていると思われがちだが、実際はそうではなくフランス語で「円形」という意味。キーファーズらしい馬名だ。今週末に迫った凱旋門賞制覇の期待もかかるキーファーズだが、JRAのGⅠ初勝利をあげるのはこの馬かもしれない。















