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【菊花賞】当日馬体重次第でコントレイルも消し?ハイブリッド式消去法で確実に残るのは3戦連続2桁着順の超伏兵

2020 10/21 06:00八木遊
2020年菊花賞ハイブリッド式消去法インフォグラフィックⒸSPAIA
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5つのデータから絞れた馬は?

先週の『秋華賞』はデアリングタクトが横綱相撲で完勝。ただし2、3着には人気薄が食い込み、3連複は万馬券のヒモ荒れとなった。消去を免れていたのはデアリングタクトとウインマイティーの2頭。後者は3番人気の支持を集めたが9着に敗れた。2着のマジックキャッスルは過去10年で【0-0-0-34】という『関東馬』×『前走5番人気以下』の条件で真っ先に消去したが、見事に覆された。

今週の対象レースは『菊花賞』だ。過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。馬券対象から、1頭でも多く“消去”して週末の予想に臨みたい。今年の『菊花賞』ではどの馬が凡走する確率が高いのか、データで迫った。

※登録29頭のうち除外対象の9頭は含めず。

『一口馬主クラブ馬』×『関東馬』★4.8%★

この企画では初めてとなる馬主を取り上げる。誰もが少額で楽しめる、いわゆる『一口馬主クラブ馬』に注目した。過去10年の菊花賞で一口クラブ馬は【3-4-1-48】とまずまず。ただし、これを東西で分けると、関西馬の【2-4-1-28】に対し、関東馬は【1-0-0-20】と大きく劣る。

抽選対象の6頭を含めた20頭の中で『一口馬主クラブ馬』×『関東馬』という条件を満たしたのは、アンティシペイトとビターエンダーの2頭。前者は抽選対象だが、3連勝中の上がり馬で出走がかなえば、ある程度の人気になりそう。1つ目の条件でこの2頭を消去したい。

【今年の該当馬】
・アンティシペイト
・ビターエンダー

『前走11頭立て以下』×『前走上がり2位以下』★8.7%★

続いては前走レースの頭数に注目。ほぼ毎年、フルゲートで行われる菊花賞。前走で11頭立て以下という少頭数にもかかわらず、上がり最速の脚を使えなかった馬は【0-0-2-21】と苦戦している。

今年は、4頭がこの条件に該当した。アンティシペイトを除く3頭が新たに消去され、現時点で20頭中、残っているのは15頭になった。

【今年の該当馬】
・アリストテレス
・(アンティシペイト)
・サトノインプレッサ
・ディアマンミノル

『母父SS系』×『前走2着以下』★9.7%★

3つ目のデータでは母の父に注目。サンデーサイレンス(SS)系とそれ以外で大まかに分けると、前者は【3-1-2-37】。後者が【7-9-8—113】だった。複勝率では非SS系の方がやや高めという結果。母父がSS系のうち、前走2着以下から参戦してきた馬は【2-0-1-28】で複勝率9.7%。消去条件を満たすため、これを3つ目のデータとして取り上げたい。

今年この条件に該当したのは4頭。血統的にはいかにも長距離向きのロバートソンキーとヴァルコスが消えた。

【今年の該当馬】
・ココロノトウダイ
・マンオブスピリット
・ロバートソンキー
・ヴァルコス

『非社台系生産馬』×『前走から中4週以上』★9.8%★

4つ目のデータでは生産者別で比較してみた。過去10年の菊花賞では社台系グループと非社台系の成績は拮抗しているが、非社台系は中4週以上の間隔を空けて出走してきた馬の成績が【1-2-1-37】と苦戦している。

今年この条件を満たしたのは3頭。4連勝中の上がり馬バビットはここで消去された。

【今年の該当馬】
・ガロアクリーク
・バビット
・ブラックホール

『前走馬体重500kg未満』×『今回馬体重減』★8.7%★

最後は馬体重。これは当日の増減で決まるため、レース約1時間前まで結論を出すことができない。前走の馬体重が500kg未満の馬が、菊花賞にマイナス馬体重で出走した場合、その成績は【0-1-3-42】。木曜日に発表される調教後の馬体重である程度想定はできるが、当日にしっかり取捨選択をしたい。

4つ目の条件を終えて、8頭が残っていたが、このうち7頭が前走500kg未満での出走。レース当日に消去される可能性があるのは、コントレイル、サトノフラッグ、ターキッシュパレス、ダノングロワール、ディープボンド、レクセランス、ヴェルトライゼンデの7頭ということになった。

5つの条件を経て、確実に消去を免れたのはキメラヴェリテの1頭だけ。無敗3冠を狙うコントレイルの取捨は、当日の馬体重次第となった。

菊花賞では当日プラス体重で出走してくる馬が多い。コントレイルもそのパターンなら、馬券の軸にせざるを得ないだろう。キメラヴェリテは3戦連続2桁着順でさすがに本命には推しづらく、あくまでも押さえまで。

コントレイル以外で気になるのは、馬場が渋ったときのターキッシュパレスと、抽選突破が条件のダノングロワール。特に後者は距離を延ばすたびにパフォーマンスを上げており、当日プラス体重で出走してくれば、打倒コントレイルの1番手に挙げたい。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。競馬との出会いはメジロマックイーンが勝った1990年菊花賞。その後、オルフェーヴルに魅了され今に至る。思い出のレースはトウカイテイオーが勝った1993年有馬記念とウイニングチケットが勝った1993年日本ダービー。