差し中心も、4角3番手以内馬は連対率25%超
9月6日（日）に新潟競馬場で行われる新潟記念（GⅢ・芝2000m）。サマー2000シリーズのフィナーレを飾る伝統のハンデ重賞に、精鋭18頭が顔をそろえた。
ルメール騎手鞍上の3歳馬ワーケアや、七夕賞2着からサマー2000シリーズ優勝を狙うブラヴァスなどが人気の中心と目されるなか、ここを勝って秋へと弾みをつけるのは果たしてどの馬か。また、馬券的に狙いたい穴馬はどれか。今週もデータを踏まえて検討していこう。
はじめに、当該レースにおける過去10年の傾向を分析する。
4角10番手以下に控えた馬が5勝を挙げており、比較的差し傾向が強いレースと言えそうだ。一方で先行勢も決して劣っているわけではなく、4角3番手以内の馬が連対率25%超、複勝回収率も128%を記録している。差し馬を中心視しつつも、人気薄の先行勢にも注意を払う必要があるだろう。
人気別成績では、1～3番人気に支持された馬と4～9番人気に支持された馬は、いずれも連対率20％程度と好走率に大きな差はなく、オッズ的には中穴が狙い目と考えたい。そうなると人気の盲点になりそうな軽ハンデ馬が気になるところだが、牡馬またはセン馬で斤量53kg以下だった馬は【0-0-2-20】と連対例はない。軽ハンデ馬の過大評価は避けたいところだ。
また、牝馬は2013年に勝利したコスモネモシン以外は3着以内すらなく【1-0-0-19】と苦戦しており、こちらも軽視が妥当。
最終週も内枠に配当妙味あり
続いて過去3年の枠番別成績をチェックしよう。全体的に大きな成績の偏りはないものの、数字の上では唯一1枠が連対率20%超を記録しており安定して走っている。過去10年のこのレースに限っても、5～8枠が連対率9%に対して1～4枠は連対率17%、複勝回収率137%を記録しており、内目の枠に妙味があるように思われる。
開催最終週のレースということで、例年馬場の内目を空けての追い比べとなる場面がしばしば見られ、先週の日曜メインでも外目に持ち出した3頭が上位を独占。やはり内目の芝が相当に傷んでいるようだ。しかしこのレースに限っては、各馬の意識が外に向くことによって、むしろ内目からロスを抑えて運んだ馬が台頭している。立ち回りひとつで人気薄の一発が期待できるとみて、馬券を組み立てたい。
重賞好走馬とも互角のパフォーマンス
本命には、前走で3勝クラスを勝ち上がったばかりのサンレイポケットを推したい。近走は馬場や展開を問わず差し脚を伸ばす競馬が光っているこの馬だが、特に2走前の下鴨Sは秀逸な内容。4角で大外を回す競馬で、七夕賞4着のヒンドゥタイムスに0秒2差の2着。
のちに牝馬重賞を制するサマーセントには先着しており、重賞好走馬とも互角のパフォーマンスを見せている。そうしたことからも、重賞初挑戦でいきなり好走するだけの素質は十分に備わっている。
対抗はブラヴァス。2走前の新潟大賞典では4着と惜敗を喫したものの、重馬場で行われた前走の七夕賞では7番人気という評価を覆して2着に好走、地力を見せた。今回で3戦連続のハンデ重賞参戦となるが、大きく崩れていない安定感は評価すべきだろう。人気サイドでは比較的、信頼がおける。
3番手にピースワンパラディ。前走のエプソムCは、極悪の不良馬場で伸びあぐねて7着。とはいえ直線で後ろから差されているわけではないし、勝ち馬から0秒4差と最後まで差は詰めている。左回りを集中的に攻めているこの馬にとって、今回はベストに近い条件であり、差しが届く展開なら台頭は必至だろう。
4番手はウインガナドルとする。前走、関越Sでは逃げ馬を行かせて離れた2番手から粘るという内容で2着。マイペースで運べたときのしぶとさは侮れない。3歳時にこのレースに参戦したときも逃げて4着と粘っており、舞台適性も証明済みだ。先行勢で警戒すべき一頭と言えるだろう。
出走中唯一の3歳馬であるワーケアに関しては、初の古馬挑戦ということで疑う余地はあるだろう。ダービーでこの馬に先着したブラックホールが札幌記念で古馬の壁に跳ね返されたことを踏まえれば、札幌記念ほどメンバーレベルが高くないとはいえ、やはり盤石とは言い難い。ここでは相手評価にとどめておくことにする。
以下、相手には差し脚質の実績馬を中心にジナンボー、カデナ、アイスバブル、人気薄ではプレシャスブルーまで押さえておく。
▽新潟記念予想▽
◎サンレイポケット
○ブラヴァス
▲ピースワンパラディ
△ウインガナドル
×ワーケア
×ジナンボー
×カデナ
×アイスバブル
☆プレシャスブルー
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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