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【新潟記念】ワーケア・ブラヴァス・カデナは全消し 残ったのは関東馬3頭 ハイブリッド式消去法で占う

2020 9/3 17:52八木遊
2020年新潟記念インフォグラフィックⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

5つのデータから絞れた馬は?

7月の『函館記念』から始まったこの企画。これまで重賞5レースを終えて、消去を免れた馬の成績は【0-2-1-17】と見事に期待を裏切っている。野球で例えるなら5打席連続三振を喫したようなものだろう。夏競馬のフィナーレ『新潟記念』で一矢報いたいところだ。

今週も過去10年の『新潟記念』から複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。馬券対象から、1頭でも多く“消去”して週末の予想に臨みたい。今年の『新潟記念』ではどの馬が凡走する確率が高いのか、データで迫った。

『休み明け2戦目』×『前走4着以上』★複勝率5.0%★

夏競馬の最終週に開催されるとあって、夏のローカルを走ってきた馬と秋に向けて叩き台として臨む馬に分かれる。その成績はほぼ互角だが、注目は休み明け2戦目というローテーション。休み明けだった前走で5着以下に敗れていた馬は【1-1-4-8】で42.9%という高い複勝率を誇る。一方、前走4着以上に好走していた馬は【1-0-0-19】。着外に沈んだ19頭には人気馬も多く、いわゆる2走ぼけが出たということだろう。

今年このデータに該当するのはサトノダムゼルだけ。6戦のキャリアで、崩れたのは13着に敗れた昨年の秋華賞のみ。穴人気の気配が漂うが、ここは思い切って消去する。

【今年の該当馬】
・サトノダムゼル

『前走から距離延長』×『前走4角10番手以下』★複勝率5.9%★

前走から距離延長組は【1-1-3-35】と大苦戦。中でも前走4コーナーでの位置取りが10番手位以下だった馬は【0-0-1-16】と絶望的だ。唯一馬券に絡んだのは、2年前に最低13番人気で3着に激走したショウナンバッハだった。

今年は4頭がこの条件を満たした。前走のエプソムCでキャリア初めて馬券圏外に敗れたピースワンパラディもその1頭。まずまず人気となりそうだが、巻き返しはないと見る。

【今年の該当馬】
・アイスストーム
・インビジブルレイズ
・ピースワンパラディ
・リープフラウミルヒ

『前走5番人気以下』×『前走4着以上』★6.5%★

前走5番人気以下で4着以上に好走した馬は【1-0-1-29】と苦戦している。5着以下に敗れていた馬は【1-2-6-60】なので、凡走していた方が巻き返す可能性は高い。『前走4着以上』という条件は1つ目の消し条件と重なるが、暑いこの時期に連続して好走すること自体が難しいのかもしれない。

今年この条件に該当したのはブラヴァスなど4頭。いずれも前走はハンデ戦で斤量に恵まれ、2着以上に好走した馬たちだ。

【今年の該当馬】
・アールスター
・アイスバブル
・サトノガーネット
・ブラヴァス

『前走左回り』×『前走4角4番手以下』★8.3%★

前走左回りを使われていた馬は【1-3-3-53】と苦戦している。ただし前走4角で3番手以内なら【0-3-0-8】で複勝率は27.3%。一方4角4番手以下は【1-0-3-44】で複勝率は8.3%まで下がる。1番人気が予想される3歳馬のワーケアはここで消去となった。

【今年の該当馬】
・(アイスストーム)
・(アイスバブル)
・(インビジブルレイズ)
・ゴールドギア
・サトノクロニクル
・(サトノダムゼル)
・サンレイポケット
・(ピースワンパラディ)
・メートルダール
・ワーケア

『前走中央4場』×『前走6着以下』★9.5%★

最後は、前走で走っていた場所に注目した。中央4場(東京・中山・京都・阪神)から臨む馬で前走6着以下に敗れていた馬は【0-1-1-19】と苦戦している。前走ローカルで6着以下だと【3-4-6-42】と健闘している。

今年は8頭がこの条件を満たしたが、うち7頭はすでに消去済みだった。最後の最後に消えたのは上位人気が予想されるカデナだった。

【今年の該当馬】
・(アイスストーム)
・(インビジブルレイズ)
・カデナ
・(サトノクロニクル)
・(ピースワンパラディ)
・(メートルダール)
・(ワーケア)

5つの消去データを経て、残ったのは関東馬3頭。逃げ馬のウインガナドルは展開面で恵まれそう。昨年の2着馬ジナンボーは、前走スタートでの立ち遅れが全て。巻き返してもなんら不思議ではない。3頭の中で最も人気薄となりそうなプレシャスブルーは、好走と凡走を交互に繰り返しており、今回は好走する順番。新潟大賞典ではブラヴァスにも先着しており、今のところこの馬が本命の最有力候補だ。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。競馬との出会いはメジロマックイーンが勝った1990年菊花賞。その後、オルフェーヴルに魅了され今に至る。思い出のレースはトウカイテイオーが勝った1993年有馬記念とウイニングチケットが勝った1993年日本ダービー。