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ジャスタウェイは回収率4964.1% セレクトセール歴代の活躍馬に迫る

2020 9/3 06:00高橋楓
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歴代獲得賞金ランキング

1998年7月、社台グループの生産馬を中心に良血馬、各牧場の期待馬が厳選され創立されたのがセレクトセールだ。今回は国内競馬での獲得賞金額のみにスポットをあてランキングにしてみた。

当セールの最大の活躍馬と言えばやはり「ディープインパクト」。7000万円で金子真人オーナーに落札され14戦12勝でGⅠを7勝し、14億5455万円を獲得。種牡馬として一時代を創り上げた。続くのは「ゼンノロブロイ」。9000万円で落札されると2004年の天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念の3連勝をはじめ安定した活躍をし、11億1560万円を獲得した。

以下、「スワーヴリチャード」、「サトノダイヤモンド」と1億円を超える価格で取引された活躍馬が続くのだが、驚くべきは第5位の「カネヒキリ」だ。2002年のセレクトセールにてわずか2000万円で取引されながら、中央・地方・海外と舞台を問わず活躍し8億1629万円を稼ぎ出した。単純計算で回収率4081.5%と驚異的な数値をだしている。

コストパフォーマンスランキング

セレクトセール出身GⅠ馬 コスパランキングⒸSPAIA

セレクトセールに参加する多くのオーナーは競走成績だけでなく、引退後の種牡馬、繁殖牝馬としての価値も考慮し落札している方が多いと聞く。ここでは、その要素を排除し、競走馬としてのコストパフォーマンスのみでランキングにする。

コスパ第1位は「ジャスタウェイ」だった。2010年セレクトセールにて1200万円で落札され、獲得賞金は5億9569万円で回収率4964.1%。実際にはこの獲得賞金の他にドバイの300万ドルが加算されるので9億円は軽く超えているはずだ。2014年には国際クラシフィケイションにおいて130ポンドの評価を受け、日本競馬史上初となる世界単独1位にランキングされた稀代の名馬であった。

続く第2位は「アドマイヤムーン」2003年のセレクトセールにて1600万円で落札され、獲得賞金は7億4046万円で回収率4627.9%だった。アドマイヤムーンもドバイや香港などで4億円以上稼いでおり、実際には10億円以上稼いでいる。2007年の引退レースとなったジャパンカップで、ポップロック、メイショウサムソンとの叩きあいは今でも忘れる事が出来ない。

そして、第3位が獲得賞金ランキングでも登場した「カネヒキリ」。2000万円で落札され4081.5%の回収率だった。以下、「サダムパテック」1200万にて落札で3388.8%、「イングランディーレ」1310万円にて落札で3106.9%と続く。

1000万円にて落札された凱旋門賞2着馬「ナカヤマフェスタ」

2010年 ナカヤマフェスタ全成績ⒸSPAIA

誰しもが目を疑い、「頼む!交わしてくれ!」と絶叫した2010年の凱旋門賞。その時の2着馬「ナカヤマフェスタ」もセレクトセールの出身馬だ。1000万円で落札され、国内賞金2億9324万円を獲得。2932.4%の回収率でコストパフォーマンス部門では6位だった。フランスでの賞金を合わせると4億円以上を稼ぎ出している。

柴田善臣騎手を背に4月にメトロポリタンステークス、6月の宝塚記念でGⅠ初勝利を飾ったとはいえ、2006年にディープインパクトですら成し遂げられなかった凱旋門賞制覇にあそこまで迫るとは夢にも思わなかった。エルコンドルパサーで凱旋門賞に挑んだチーム二ノ宮厩舎が亡きオーナーの為に結成した「チームすみれの花」の力だったと言っても過言では無いだろう。

近年のセレクトセール出身GⅠ馬

近年のセレクトセール出身 GⅠ馬ⒸSPAIA

今年の秋に史上初の無敗の牝馬三冠を目指す「デアリングタクト」もセレクトセール出身。長谷川牧場より上場され1200万円の価格で取引された本馬の活躍はご存じの通り。近3年間だけでも「デアリングタクト」「グローリーヴェイズ」「ロジャーバローズ」と、社台グループ以外の生産牧場からもGⅠ馬が登場している。

各牧場から厳選された期待馬が集まる晴舞台がセレクトセールという場所なのだ。次はどんな活躍馬がこの舞台から登場するのか楽しみでならない。