今年の理想は前走新潟芝1600m出走馬
2歳重賞はここまで1200mの函館2歳Sのみ。翌週に札幌1800mの札幌2歳Sがあるが、新潟2歳Sは外回り芝1600m。長い直線、早い上がり時計が記録されやすい同レースは2歳GⅠもしくは来春のクラシックを展望するようなトップクラスの参戦も多い。夏の注目レースのひとつ、新潟2歳Sの傾向をデータで探ってみる。なおデータは過去10年間のものを使用する。
まず枠番別成績。新潟芝1600m戦は向正面スタートのワンターン、最後の直線は600m超というレイアウト。枠番に極端な不利が生じるようなコースではない。
勝率でみると若干だが外枠が強く、1枠【1-1-2-13】勝率5.9%、2枠【1-1-2-15】勝率5.3%、3枠【1-0-0-18】勝率5.3%に対して、5枠【2-0-0-16】勝率11.1%、6枠【2-1-1-16】勝率10%、8枠【3-1-1-21】勝率11.5%、率としては倍の開きがある。
頭数は外枠の方が多いわけだが、それでも1枠17頭、8枠26頭なので倍まではいっていない。勝ち馬を探すという視点で考える場合は外枠をちょっと気にしたい。というのも複勝率では枠順に差はなく、これは新潟芝1600mが枠順による差異がないことを示している。
勝率が高いのはコースレイアウトというよりレース展開にありそうだ。多頭数のスローペースで馬群が固まりやすく、外枠の馬は道中の不利やストレスを受けにくいことに関係しているのではないだろうか。
キャリアが浅い2歳重賞では前走クラス別成績に注目。前走が新馬だった馬が8勝、未勝利だった馬が2勝。この10年すべてが新馬、未勝利組であり、オープン出走馬は【0-1-0-29】と振るわない。ダリア賞が新潟2歳Sに結びつかないのは有名なところだ。では新馬だった組をもう少し詳しくみていく。
数字がいい中京は今年該当馬ゼロ。となると新潟だった馬【4-2-1-35】勝率9.5%に注目だろう。素質馬がそろう東京は【1-3-2-13】勝率5.3%と案外な数字。しかし複勝率31.6%は新潟の16.7%を上回る。勝ちきれないものの、レベルが高い東京組は好走する馬を出すようだ。
対照的なのは新潟の前に開催される福島だ。【0-0-2-9】と数も少ないが好走例もあまり出ていない。上がり時計が早い新潟とは適性が違いすぎることもあるが、総じてレベルが高くないことも影響しているようだ。
延長、短縮、同距離など前走からの距離の関係をみると、同距離、つまり前走1600m戦組が【6-2-5-31】勝率13.6%、複勝率29.5%で上位。マイル戦は前走マイル戦からというデータはよくあるので、覚えておきたい。
距離短縮にあたる1800m戦以上はレース数がそもそも少ないわけだが、【0-4-1-23】と勝ちきれない傾向にある。前走1400m以下はレース数が多く、頭数も多いわけだが、どうも距離延長は結びつくイメージがないが、【4-4-4-80】とそれなりに好走馬を出している。
キャリアが浅いゆえに距離適性はまだまだあいまい。前走1400m以下出走組だからといってマイル戦は距離が長いと決めつけないほうがよさそうだ。