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【キーンランドC】「4・5歳4勝ずつ」「前走GⅢ組7勝」など 注意すべきは北海道で3勝クラス卒業馬 当日まで覚えておきたいデータとは

2020 8/23 17:30勝木淳
2020年キーンランドCデータインフォグラフィックⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

好走パターンは前走GⅢ組または前走3勝クラス組

サマースプリントシリーズの北海道ラウンド第2戦にあたるキーンランドCは、スプリンターズSの穴馬をしばしば送る。14年13人気1着スノードラゴン(スプリンターズSは新潟施行)、15年9人気3着ウキヨノカゼなど。

施行時期的に少し間を開けられる点から、ステップレースにあえて選択する馬もいる。昨年は、ダノンスマッシュがこのレース1着から本番に出走した。秋を占う意味でも見逃せないレースだ。では、その傾向についてデータから探ってみる。なお、データは13年函館施行も合わせ過去10年のものを使用する。

年齢別成績(過去10年)ⒸSPAIA

短距離戦の下級クラスでは強い3歳馬だが、重賞となると苦戦傾向のようで、【1-2-0-19】勝率4.5%、複勝率13.6%。16年はワンツーを決めたが2人気ブランボヌール、1人気シュウジと人気サイド、もう1頭は18年4人気2着ダノンスマッシュ。函館で1600万下を勝ちあがった直後だった。上位人気か、古馬相手に条件戦を突破するような勢いある馬であることが最低条件だろう。

主力は4歳【4-4-4-18】、5歳【4-1-5-29】の2世代。6~8歳は【0-3-1-56】で狙いづらいものの、15年9人気2着トーホウアマポーラなど穴馬がしばしば出現する。また、表は8歳までだが、17年には9歳エポワスが1着という記録もあることは忘れないでおきたい。

前走クラス別成績(過去10年)ⒸSPAIA

前走クラスで、注目は同格のGⅢと勝率がほぼ変わらない3勝クラス組【1-2-1-5】。複勝率は44.4%、数は少ないが率がいい。先ほど触れた18年ダノンスマッシュもこれに該当する。

で、ダノンスマッシュは函館で3勝クラスを勝っているが、これもポイントになる。

前走3勝クラス組の前走競馬場別成績(過去10年)ⒸSPAIA

3勝クラス経由でここに来た馬は、過去10年すべて前走北海道出走組。他場の3勝クラスからここに来るというローテは考えにくいわけだが、実際に出走はゼロ。勝ち馬は前走函館出走馬から出ているが、札幌も【0-1-1-1】複勝率66.7%。

とにかく、北海道で条件クラスを卒業した馬に注目したい。なお、主流は前走GⅢ組【7-5-4-46】。10年で7勝だから1着予想はこのGⅢ組から検討したい。

前走GⅢ組の前走レース別成績(過去10年)ⒸSPAIA

具体的に、GⅢのどのレースからここに出走してきた馬がいいかといえば、やはり函館SS組【5-2-2-24】。勝率15.2%、複勝率27.3%はトップの数字。北海道ラウンドであることを考えれば自然な結果ともいえる。

では、同シリーズの本州から参戦する馬はどうかといえば、アイビスSD【2-1-1-15】、CBC賞【0-2-1-5】と出走数は減るが、悪くない。CBC賞組は複勝率ではトップの37.5%。もちろん出走馬がいればという話にはなってしまうが、本州ラウンドは今週北九州記念があっただけにあえて北海道ラウンド参戦組は意欲の北上ともとれる。

サマーシリーズ組は3着以内が絶対条件

話は少し戻る。主力の函館SS組については前走着順別成績が興味深い。

前走函館SS組の前走着順別成績(過去10年)ⒸSPAIA

函館SSで、4着以下だった馬は過去10年で馬券圏内はない。1着【2-0-1-2】、2着【1-1-0-3】、3着【1-1-1-1】と、函館SS組から狙っていいのは馬券圏内に来ていた馬と絞ってよさそうだ。

想定にあるダイアトニックは上位人気必至だが、2着だったダイメイフジは妙味を感じる。6歳以上は穴で走るという傾向にも一致する。

前走アイビスSD組の前走着順別成績(過去10年)ⒸSPAIA

同じ傾向はアイビスSDにも当てはまる。

ここも前走4着以下から巻き返した馬は、過去10年で1頭のみ(18年9人気3着ペイシャフェリシタ)。アイビス1着は【1-0-0-1】、同2着【1-1-0-1】、アイビス好走からキーンランドCという馬、想定にはアイビス3着ビリーバーの名前がある。

同馬は前々走函館で条件クラスを卒業している。最後になんだかんだと好走馬が出るGⅠ組【1-2-2-9】を調べる(今年は残念ながら該当馬なし)。

前走GⅠ組の前走レース別成績(過去10年)ⒸSPAIA

NHKマイルC【1-0-0-4】、安田記念【0-1-0-2】、ヴィクトリアマイル【0-1-0-1】とマイルGⅠが上位に並び、同じスプリント戦の高松宮記念【0-0-2-2】は不思議と3着ばかりで2着以上がない。3月の高松宮記念からだとレース間隔は4カ月半と開くからだろう。

前走GⅠ組の前走着順別成績(過去10年)ⒸSPAIA

GⅠ組の前走着順別成績は4着以上だった馬の出走はなく、5着以下ばかり。6着以下から巻き返しが多く、前走GⅠで大きな着順だった馬はその着順を鵜呑みにしないほうがよさそうだ。これも出走馬がいればの話にはなるが……。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。

キーンランドカップデータインフォグラフィックⒸSPAIA

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