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【札幌記念】ラッキーライラックは前走2.5秒差の大敗でも消しデータに該当せず ハイブリッド式消去法で占う

2020 8/19 13:50八木遊
2020年札幌記念データインフォグラフィックⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

夏競馬で唯一のGⅡレース『札幌記念』が23日、札幌競馬場で開催される。注目はGⅠ競走3勝の実績が光るラッキーライラックだが、5つの消去データをクリアできるだろうか。

今週も過去10年の『札幌記念』から複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。馬券対象から、1頭でも多く“消去”して週末の予想に臨みたい。今年の『札幌記念』ではどの馬が凡走する確率が高いのか、データで迫った。

※特別登録時点のもの

『前走1.0秒差以上負け』×『前走ローカル・海外・地方』★複勝率0.0%★

まずは、前走で1.0秒以上の差をつけられた馬に着目した。過去10年間で出走したのべ147頭のうち36頭が該当。その成績は【1-1-4-30】で複勝率は16.7%だった。

馬券圏内に好走した6頭に共通するのが、前走が中央4場(東京・中山・京都・阪神)でのレースだったという点。その成績は【1-1-4-11】で、複勝率は35.3%に上る。一方で前走、中央4場以外(ローカル・海外・地方)だと【0-0-0-19】とすべて馬券圏外に敗れている。

今年の登録メンバー13頭のうち6頭が前走1.0秒以上の差で敗れているが、前走ローカルを走ったのは1頭だけ。札幌日経オープン(L)で1.4秒差の7着に敗れたルミナスウォリアーが該当した。1番人気が予想されるラッキーライラックは前走、阪神で開催された宝塚記念だったため、消去は免れた。

【今年の該当馬】
・ルミナスウォリアー

『4~5歳馬』×『前走から中3週以内』★複勝率0.0%★

過去10年の1着馬を年齢別で見ると、4歳から6歳が各3勝、3歳が1勝している。連対率や複勝率を見ても、3歳から6歳はほぼフラットだった。そこで、普通なら消し要素が少ない4~5歳馬に着目。

前走から中3週以内で札幌記念を迎えた4~5歳馬が苦戦していることがわかった。その成績は【0-0-0-14】。暑いこの時期はゆとりあるローテーションで臨むことがベターなのかもしれない。

今年このデータに該当したのは2頭。中2週で臨む5歳のイェッツトと中1週で臨む同じく5歳のポンデザールが脱落。後者は洋芝4戦4勝で穴人気が予想されるが、ここでは消しとしたい。

【今年の該当馬】
・イェッツト
・ポンデザール

『キャリア21戦以上』×『休み明け3戦目以上』★複勝率6.3%★

数多くのレースに使われてきた馬はやや苦戦する傾向にある。キャリア20戦以下と21戦以上で分けると、キャリアが浅い前者の【8-6-7-51】に対し、後者は【2-4-3-66】とやや劣勢。しかし、キャリア21戦以上でも休み明けか休み明け2戦目だと【2-2-2-33】と健闘している。

問題は休み明け3戦目以上の時だ。その成績は【0-2-0-32】、複勝率6.3%まで落ち込む。2つ目の消しデータと同じく、好走するにはある程度フレッシュな状態でレースに臨む必要があるのだろう。

今年該当したのは、トーセンスーリヤとペルシアンナイトの宝塚記念組2頭だった。ここまで3つのデータを経て、13頭中5頭を消去。あと2つのデータで何頭が残るだろうか。

【今年の該当馬】
・トーセンスーリヤ
・ペルシアンナイト

『関西馬』×『美浦所属騎手』★複勝率8.3%★

過去10年の所属別成績を見ると、関東馬【4-4-4-48】と関西馬【6-6-6-69】の数字はほぼ互角。ただし関東馬の4勝はすべて過去5年に挙げたもの。勢いでは関東馬が上と見ていいだろう。

あえて関西馬から消し要素を探すと、美浦所属の騎手が関西馬に騎乗した時に苦戦していることがわかった。その成績は、【0-1-1-22】で、複勝率は8.3%。

今年は6頭の関西馬が出走予定だが、美浦所属騎手が騎乗を予定しているのは2頭。すでに消去済みのペルシアンナイトに加え、吉田隼人騎手が騎乗するアドマイヤジャスタが新たに消去対象となった。

【今年の該当馬(候補)】
・アドマイヤジャスタ ※吉田隼人騎手(予定)
・(ペルシアンナイト) ※大野拓弥騎手(予定)

『非サンデーサイレンス系種牡馬』×『前走馬体重480kg未満』★複勝率9.5%★

最後は、血統に注目した。サンデーサイレンス系(SS系)と非SS系に分けると、前者が【6-6-5-67】、後者は【4-4-5-50】とほぼ互角。しかし非SS系が好走するためにはある程度の馬格が必要。前走の馬体重が480kg未満かつ非SS系に該当する場合の成績は【1-0-1-19】。唯一の1着馬は2017年のサクラアンプルールだった。

今年の該当馬は6頭。すでに消去済みの2頭に加え、上位人気が予想されるノームコアなど4頭が最後の最後に消去対象となってしまった。

【今年の該当馬】
・(イェッツト)
・カウディーリョ
・トーラスジェミニ
・ドレッドノータス
・ノームコア
・(ルミナスウォリアー)

今年の札幌記念は2年連続のフルゲート割れが決まっている。13頭中10頭が消え、残ったのはラッキーライラック、マカヒキ(回避予定)のGⅠ馬と昨年の札幌2歳Sを制したブラックホールの3頭。今のところ、この3頭の3連複1点で勝負予定だ。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。競馬との出会いはメジロマックイーンが勝った1990年菊花賞。その後、オルフェーヴルに魅了され今に至る。思い出のレースはトウカイテイオーが勝った1993年有馬記念とウイニングチケットが勝った1993年日本ダービー。

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