「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

【関屋記念】『前走ハンデ戦』×『今回斤量増』は複勝率2.6%など ハイブリッド式消去法で占う

2020 8/12 06:00八木遊
2020年関屋記念データインフォグラフィック
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

5つのデータから絞れた馬は?

サマーマイルシリーズ第3弾の『関屋記念』が16日、新潟競馬場で開催される。日本一長い650mを超える直線で末脚比べを制するのはどの馬だろうか。

今週も過去10年の『関屋記念』から複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。馬券対象から、1頭でも多く“消去”して週末の予想に臨みたい。今年の『関屋記念』ではどの馬が凡走する確率が高いのか、データで迫った。

※特別登録時点のものです。

『前走ハンデ戦』×『今回斤量増』★複勝率2.6%★

まず、前走でハンデ戦を走った馬に注目した。過去10年でのべ82頭が該当し、その成績は【5-6-4-65】だった。さらに前走からの斤量増減別で見ると、今回斤量が増えた組は【0-1-0-37】と大苦戦。同斤量組の【1-4-3-19】、斤量減組の【4-1-1-9】とは大きな違いが生じた。

今年の登録メンバー18頭のうち、前走ハンデ戦で今回斤量が増えるのはメイケイダイハードなど5頭。上位人気が予想される有力馬の名前はないが、この5頭はばっさり消したい。

【今年の該当馬】
・ジャンダルム
・ペプチドバンブー
・ミッキーブリランテ
・メイケイダイハード
・メイショウグロッケ

『前走右回り』×『前走8着以下』★複勝率3.4%★

前走右回りコースを走り、8着以下に敗れた馬の反撃は簡単ではない。その成績は【1-0-0-28】。馬券に絡んだのは、2017年の覇者マルターズアポジーだけだ。前走8着以下でも、左回りを走った馬であれば、【3-1-0-35】。4頭が巻き返しに成功し、連対している。

今年2つ目の“消去”データに該当したのは6頭(うち3頭は1つ目で消去済み)。上位人気が予想されるクリノガウディーはここで該当した。今年は、CBC賞と中京記念が右回りの阪神競馬場で行われたため、該当馬が増えた。
【今年の該当馬】
・クリノガウディー
・(ジャンダルム)
・トロワゼトワル
・ブラックムーン
・(ペプチドバンブー)
・(メイショウグロッケ)

『6歳以上』×『騎手乗り替り』★複勝率4.4%★

他の多くのレースと同様に年齢を重ねた馬は苦戦する傾向にある。過去10年の6歳以上の成績は【3-2-2-60】と決して褒められたものではない。これに前走から『騎手乗り替り』という条件を加えると、【1-0-1-43】まで落ち込む。

今年は登録18頭のうち7頭が6歳以上。このうち継続騎乗が決まっているのは横山和生騎手が騎乗するミラアイトーンだけだ。プロディガルサンの鞍上は現時点で未定。前走に続き、荻野極騎手が騎乗すれば、“消去”を免れるが、陣営の発表を待ちたい。

【今年の該当馬(候補)】
・アストラエンブレム
・サトノアーサー
・ドーヴァー
・(ブラックムーン)
・プロディガルサン※騎手未定
・(メイショウグロッケ)

『牝馬』×『前走7番人気以下』★複勝率6.3%★

牝馬は過去10年で【2-3-3-23】とまずまず。しかし、前走7番人気以下は、【1-0-0-15】と苦戦している。唯一馬券に絡んだのが2012年の覇者ドナウブルー。安田記念(14番人気)からの参戦で、関屋記念では1番人気に支持され、期待に応えた。

今年は牝馬5頭が出走予定だが、該当したのはハーレムラインとメイショウグロッケの2頭。ちなみにメイショウグロッケはここまでの4条件すべてに該当している。

【今年の該当馬】
・ハーレムライン
・(メイショウグロッケ)

『前走4角6番手以下』×『今回1~4枠』★複勝率7.1%★

最後は、前走の4角位置取りに注目。ここでは5番手以内と6番手以下に分けて比較した。前者は【6-3-5-47】、後者は【4-7-5-83】と大きな差はない。しかし前走4角6番手以下だった馬が『関屋記念』で1~4枠だった場合は【0-1-2-39】。5~8枠の【4-6-3-57】とは明らかな差が出た。外枠有利なレースではあるが、前走4角6番手以下だった馬は特に外枠をゲットしたいところだろう。

今年は登録18頭中、前走4角6番手以下という条件を満たす馬は10頭。消去済みの7頭を除くと、アンドラステ、エントシャイデン、プリモシーンが残った。この3頭の取捨は枠次第となる。

【今年の該当馬(候補)】
・アンドラステ
・エントシャイデン
・(クリノガウディー)
・(サトノアーサー)
・(ドーヴァー)
・(ブラックムーン)
・プリモシーン
・(ペプチドバンブー)
・(メイケイダイハード)
・(メイショウグロッケ)

今週は、4つ目のデータまでで、18頭中12頭を“消去”した。残る6頭のうち、プロディガルサンが騎手次第、他3頭は枠次第となった。無条件で残ったのは、グルーヴィットとミラアイトーン。この2頭のどちらかを本命候補として週末の予想に臨みたい。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。競馬との出会いはメジロマックイーンが勝った1990年菊花賞。その後、オルフェーヴルに魅了され今に至る。思い出のレースはトウカイテイオーが勝った1993年有馬記念とウイニングチケットが勝った1993年日本ダービー。