カフェファラオはまさかの7着
3歳のダートチャンピオンを決める戦い、ジャパンダートダービー(JpnⅠ・ダート2000m)。前走のユニコーンSで5馬身差をつけて圧勝したカフェファラオが単勝1.1倍と圧倒的な人気に推されていた。
好スタートから勢いよくレースの主導権を握ったのは、ダイメイコリーダ。じわっと外からダノンファラオが2番手につける。今回もスタートを決めた注目のカフェファラオは、3番手のインコースでレースを進める形となる。その外にミヤジコクオーが並んでいき、前半1000mを1:01.3で通過。
縦長の展開で3コーナーに差し掛かり、2番手追走のダノンファラオがダイメイコリーダに並びかけ、後続を引き離しにかかる。カフェファラオはレーン騎手の手綱が動き始めて追い上げを見せるが、直線に向いてからはみるみると差は広がり、7着に終わった。
前の2頭による競合いから抜け出したのは、ダノンファラオ。最後はダイメイコリーダに1 3/4馬身差をつけて勝利。勝ちタイムは2:05.9(重)だった。さらに5馬身差離れた3着には道中5番手を追走していた8番人気のキタノオクトパスが入り、3連単は770,730円と大波乱の決着に終わった。
古馬になったらもっと強くなる
勝利したダノンファラオに騎乗していた坂井瑠星騎手は、逃げるレースを想定していたそうだが、ダイメイコリーダが速いと見るとすぐに切り替えて2番手からのレースを選択。
冷静な騎乗で、GⅠ級のレースを初制覇を果たした。そしてその舞台は、父で元騎手の坂井英光調教師が活躍した大井競馬場という舞台であったことからも、嬉しさが倍増する勝利であったに違いない。
管理する矢作調教師は「これから緩さが取れて、古馬になったらもっと強くなると思っている」とコメント。またコロナウイルスの影響で9月に延期されたケンタッキーダービーへの出走については、「この状況なので難しい。11月(JBC)にまた大井に帰ってきたい」と語った。
2着のダイメイコリーダは、思い切って逃げる競馬を選択した池添騎手の好騎乗が光った。最後の1ハロンは止まってしまったが、上がりのかかる舞台であれば今後も重賞戦線でも活躍が期待できそうなので、次走以降も積極的に狙ってもいいだろう。
そして7着に敗れてしまったカフェファラオ。1コーナー手前で、躓く場面が見られ、レース後に騎乗していたレーン騎手は「タイヤの跡に反応して、逆手前でコーナーに入るミスステップが響いた。それに今までに経験したことのないキックバックにも反応して、ずっとバランスが取れなかった」と敗因を分析。
それを加味しても、この結果は案外だった。やはり力のいる地方のダートよりも、スピードを要求される馬場に適性が高いとタイプ。次走以降、適条件で見直したい。