流れとは真逆な競馬
ケンタッキーダービーはコロナ禍の影響で大幅にスケジュール変更となり、9月5日に開催される。まだまだとてもアメリカに馬を輸送して競馬に使えるような状況ではないので、可能性は低いかもしれないが、ユニコーンSを勝ったカフェファラオには可能であれば挑戦してもらいたいという気持ちが強くなった。
父は史上12頭目のアメリカクラシック三冠馬。その血を色濃く受け継いだカフェファラオ、ユニコーンSでは残り400mでフルフラット、レッチェバロックが追い出される中、馬なりで抵抗、追い出すとそれらを一気に突き放した。勝ち時計1分34秒9を涼しい顔で記録する底知れぬスピードは父の故郷でもと思わせた。
圧巻だったのは2月ヒヤシンスS。スタートをボコッと出て、後方追走。後方一気が決まりにくい東京ダート1600m戦で直線だけでなで斬りにした。このレースは前半800m49秒0-後半800m48秒7と後半が速い先行有利な流れ、流れに完全に逆らった競馬はケタが違う能力差を感じさせた。
ユニコーンSは課題のゲートを決め、大外枠から行きたがるのをなだめられながら先手を奪ったレッチェバロックの外、番手につける。外からマークされたためレッチェバロックはペースを落とせない。前半800m46秒1はヒヤシンスSより2秒9早く、同日2勝クラスの青梅特別(46秒7)より0秒6早いハイペース。青梅特別とて前後半800m46秒7-49秒3の激流、結果はソルドラードが後方から大外一気を決めた。
ヒヤシンスSと同様にレース全体の流れに逆らった競馬ながら直線は追い出すタイミングを待つ余裕があり、追い出すと後続を一気に突き放し、その手応えには余裕さえあった。青梅特別は最後の600m12秒3-12秒5-12秒3、対してユニコーンS12秒1-12秒2-12秒2だからスピードの持続性では古馬2勝クラスはおろかオープンクラスにさえ匹敵する。くどいようだが展開は一切味方してない。
むしろ前半はハイペースでも行きたがったほど。事実、2着は後方から直線一気でどこまでと決め打ったデュードヴァン。マークされたレッチェバロック9着、同位置にいたフルフラット6着と残すことはできなかった。