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【宝塚記念】1番人気の複勝率70%もクセが強い!解明する6つのデータとは

2020 6/21 17:00勝木淳
2020年宝塚記念データインフォグラフィックⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

上位人気は頼りない

上半期の中央競馬を締めくくるサマーグランプリ宝塚記念。調整が難しい夏、馬場が安定しない梅雨時という時期的な難しさから出走レベルが安定しないレースだが、今年は海外遠征ができない影響からか消耗が少ない馬が多く、メンバーはそれなりにそろった。

ファン投票10位以内では2、3、6、7、8、10位がエントリー。1位アーモンドアイの参戦こそないが、大阪杯ワンツーの牝馬ラッキーライラック、クロノジェネシス、4歳大将格サートゥルナーリアらがグランプリに挑む。ファン投票で選定されるドリームレースということで人気順別の成績を調べる。

人気別成績(過去10年)ⒸSPAIA



過去10年で1番人気【2-4-1-3】勝率20%はいささか頼りない。複勝率は70%なので馬券圏内には来てくるが勝ち切る場面が少ない。2番人気【1-1-1-7】とさらに数値が悪い。3番人気【2-0-2-6】と上位人気は微妙な結果。

同じグランプリ有馬記念は過去10年1番人気【5-2-1-2】、2番人気【2-1-2-5】と勝率、複勝率ともに1、2位で人気と結果が比例しやすい(もっとも昨年は1人気アーモンドアイ9着だが)。宝塚記念はファン投票選出レースながら上位人気に支持される馬が期待ほど走らない。ここにサマーグランプリの難しさが透けて見える。

しかしながら極端な波乱はここ10年では発生しておらず、12人気3着が1頭でそれ以下の馬券絡みはなし。6~8人気が5勝なので、伏兵評価ぐらいの馬には注意が必要だろう。極端な傾向といえば、枠番別成績だろう。

枠番別成績(過去10年)ⒸSPAIA



なんと、8枠【7-0-2-13】勝率31.8%とほかを圧倒。1枠【1-1-4-10】、2枠【1-1-2-12】4枠【0-4-0-12】と内枠の複勝率はそれなりに高いので、8枠から内枠へ流すのも手ではないだろうか。

梅雨時で馬場が悪化、内側が悪いために外枠が来るという見立てもあるが、8枠7勝のうち良馬場4回、稍重3回なのでその説が成立しなくもない。理由はどうであれ、8枠が10年で7勝というデータは忘れないでおきたい。

5歳優勢、ステイゴールド系がカギ

次に年齢別成績を調べる。

年齢別成績(過去10年)ⒸSPAIA



勢いある4歳は【3-2-5-35】主力らしく頭数が多い割に勝率6.7%、複勝率22.2%と数字が出ない。5歳【6-5-5-32】勝率12.5%、複勝率33.3%でデータ上では5歳馬が狙い。

世代間のレベル差というものがあるかどうか分からないところだが、20年先週までの古馬平地重賞33レースで4歳10勝、5歳14勝と4歳は健闘といえるものの、4歳10勝の内訳は牝馬6勝(うち牝馬限定戦3勝)牡馬4勝で牝馬が優位。ただし牝馬の活躍が目立つのは昨今のトレンド。

宝塚記念も16年マリアライト、19年リスグラシューと近年は牝馬の勝ち馬も多い。先述の大阪杯ワンツーは5歳と4歳の牝馬、登録がある牝馬はこの2頭のみなので、ラッキーライラックとクロノジェネシスの評価はデータ上では5歳ラッキーライラックが優勢か。そのラッキーライラックに追い風となるデータが種牡馬別成績である。

種牡馬別成績(過去10年※着度数上位9頭)ⒸSPAIA



ラッキーライラックの父の父にあたるステイゴールドが【4-0-0-12】で勝率トップ。同産駒が宝塚記念に強いのは有名な話、勝つか負けるか極端な成績なのは同産駒らしいところ。同系統のオルフェーヴル産駒もいずれ宝塚記念での活躍が予想され、そのきっかけをラッキーライラックが作る可能性はある。

また登録馬にはステイゴールド産駒2頭がおり、当然そこも目が離せない。絵にかいたように対照的なのがディープインパクト産駒で【1-2-4-18】とどうも勝ちきれない。これは持久戦になりやすいことが反映した結果であろう。

天皇賞(春)敗退組から目を離すな

最後に前走でどんなレースに出走したのか調べた。

前走レース別成績(過去10年)ⒸSPAIA



大阪杯がGⅠになり、海外遠征も含め選択肢が広がったことにより、多様なレースから宝塚記念に集結しているわけだが、勝利数トップは昔ながらの天皇賞(春)組【4-2-2-30】。

昨年こそ全滅だったが、11年~18年まで必ず馬券圏内に1頭は絡んでおり、最重要ステップレースだ。そこで前走天皇賞(春)組の同レースでの着順別成績をみる。

前走天皇賞(春)組の前走着順別成績(過去10年)ⒸSPAIA



天皇賞(春)で馬券圏内だった馬の宝塚記念での成績は【0-0-2-14】。連続好走は考えにくいデータになっており、天皇賞(春)4着以下だった馬が全4勝を記録。同レース負け組というと、登録馬ではトーセンカンビーナ、キセキ、モズベッロ、メイショウテンゲン、ダンビュライトが該当する。

天皇賞(春)2着スティッフェリオはステイゴールド産駒でおそらく伏兵評価、気になるところではあるが……。最後の最後、おまけに騎手のデータをひとつ。

騎手乗り替わり別成績(過去10年)ⒸSPAIA



乗り替わり【3-3-4-61】に対して継続騎乗【7-7-6-53】。前者は勝率4.2%、後者は9.6%と倍以上の開きがある。19年こそ乗り替わりのレーン騎手が結果を出したが、上半期シーズン末期のGⅠということで一発を託して騎手を替えてくるケースはあまり結果に結びついていない。

15年1着ラブリーデイは岩田康誠騎手から川田将雅騎手への乗り替わりだが、川田騎手はラブリーデイの主戦的な立場だった。過去10年でテン乗りは先述のレーン騎手と14年1着ゴールドシップの横山典弘騎手のみだったことは忘れないでおきたい。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。

2020年宝塚記念データインフォグラフィック

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