Bコース変わりで先行有利に
3歳牝馬の頂点を決める戦い、オークス(GⅠ・芝2400m)。最大の注目点は、重馬場の桜花賞を制したデアリングタクトが2冠達成なるかという点。しかし敗れたクラヴァシュドールやミヤマザクラなど東京コースに実績のある馬に加えて、デゼルなど別路線組からも素質のある馬たちが出走するなど、楽しみなメンバー構成となった。そんな一戦を、東京競馬場の馬場傾向と出走各馬の馬場適性の観点から分析、予想していく。
今回も先週末、5月16日(土)と17日(日)に東京競馬場の芝コースで行われた合計11レースの結果から傾向について見ていこう。
土曜日は雨が降り続き、お昼過ぎに良から稍重へと変わった。そうした中で行われた1400mの重賞、京王杯SCは好スタートから思い切って逃げの策に出たダノンスマッシュが1:19.8という速いタイムで勝利。33.1という速い上がりが出ており、数字だけ見ると全く雨の影響を感じなかった。
日曜日の天候は晴れ。午前中に行われた最初のレースは稍重だったものの、すぐに良に回復した。すると1400mの4歳以上1勝クラスで1:19.9と前日の京王杯SCと0.1秒しか変わらないタイムがマークされ、メインレースのGⅠヴィクトリアマイルでは1:30.6というレコードと0.1秒しか変わらない高速決着となった。
先週からBコースに変わり、3着までの入った馬たちの脚質にどのような傾向が見られるのかに注目していたが、逃げ2勝、先行7勝、差し2勝という内訳で前に行った馬の活躍が目立っていた。2着、3着の結果からも同様の傾向が見られており、先々週までのAコースで伸びていたコースが仮柵で保護されて狭くなったことが、先行有利の傾向に拍車を掛けることとなったと推測する。
実際に、先週のレースで3着以内に入った全33頭がどのコースを通っていたのか調べた結果、最も多い9頭(2勝、2着4回、3着3回)が内から3頭目のコースを走っていた。その他では、内から4頭目(3勝、2着1回、3着2回)を通った馬が6頭、内から1頭目(1勝、2着2回、3着2回)と内から2頭目(3勝、2着1回、3着1回)を通った馬がそれぞれ5頭と続いており、「内から4頭目以内」が伸びる傾向にあったと言えるだろう。
Aコースを使用していた先々週は、内から6頭目までを通った馬が満遍なく3着以内に入っていたが、Bコースに変わって内の2頭分が仮柵で保護されたと考えれば、伸びるコース自体は先々週から変わっていなかったと分析することができる。
オークスが行われる5月24日(日)の東京競馬場の天気予報は晴れ。先週同様に土曜日に雨予報が見られるが、雨が上がれば馬場の回復は非常に速いので、良馬場でのレースになると考えて問題ない。「高速馬場」「先行有利」「内から4頭目以内が伸びる」という3つが的中に向けてのキーワードとなる。
ただし、3歳牝馬にとって2400mは過酷な条件なので、能力が高ければ短距離のレースに比べて差しが決まる可能性もある。2番目のキーワードについては、少し柔軟な考え方を持つことも必要かもしれない。