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【競馬】単勝万馬券は143回 過去5年で6回も出した騎手は?

2020 5/5 06:00高橋楓
丸山騎手の芝・ダート成績
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ⒸSPAIA

単勝回収率トップはまさかのレーン騎手

「しかしびっくりだ、これはゼッケン番号6番、サンドピアリスに間違いない!」このフレーズだけで1989年エリザベス女王杯を思い浮かべる事ができる人はかなりのオールドファンなのではないだろうか。20頭中の20番人気のサンドピアリスが優勝し「単勝43,060円」の払い戻しであった。単勝馬券といえども十分に夢があるのである。

騎手単勝回収率ランキング(近5年間)

過去5年間、JRAで100回以上騎乗した騎手を調べてみると単勝回収率100%超えの現役騎手は10人いた。内訳は、JRA所属騎手6名(藤井勘一郎、丸山元気、田中健、横山和生、泉谷楓真、秋山真一)、短期騎手免許の外国人騎手3人(レーン、モレイラ、アッゼニ)、地方所属の森泰斗騎手である。 結果論だが、この10人だけに絞り込んで単勝を買い続けていれば、負けない計算になるのだ。例えばトップのレーン騎手は過去5年間で153戦46勝、単勝回収率123%のハイアベレージだ。

そして、「マジックマン」「雷神」の異名を誇るモレイラ騎手も単勝回収率が107%もあるのだ。JRA勝率33.4%、平均単勝人気2.1番人気の数字での成績なのだから、素直に買うべき騎手という事がよく分かる。常に人気になってしまう騎手の場合、1戦負けるだけで回収率は大きく下がってしまうので、これだけの数値を継続していることは本当に凄いことだ。

ちなみに複勝回収率で100%以上の数値を記録しているのはバルザローナ騎手(115%)森泰斗騎手(110%)だけである。

注目すべきは丸山元気騎手

通年で騎乗している中で注目は丸山元気騎手。単勝回収率は114%を記録している。

丸山元気騎手、過去5年の成績



そして、丸山騎手の特徴は安定した勝率にある。極端に不得意がなく安定しており芝7.6%、ダート7.3%、そして特別戦であっても7.6%と馬券を買う側からすると非常に頼もしい。 また、回収率では芝116%、ダート111%、特別戦137%、どの条件であっても単勝回収率が100%を超えているのだ。

丸山元気騎手、過去5年間単勝回収率



もう少し深く掘り下げると、芝の場合は1601m~2400mのレースの場合161%、ダートは1000m~1600mの場合149%と飛躍的に数字が跳ね上がるのである。

また、芝の2401m以上でも103%を記録している。それ以外の条件になると数値は100%以下まで下がるので注意が必要だ。出走表を見た時に丸山騎手が該当の条件に騎乗する際には要注目である。

単勝万馬券は143回発生! 丸山、松若、木幡初也の3名に注目

丸山元気騎手、過去5年間単勝回収率



近5年間では単勝万馬券は143本発生している。2020年4月25日にJRA史上初の1日5回の登場し話題になった。

うち6回を先に注目した丸山元気騎手、5回を松若風馬騎手、木幡初也騎手が記録している。ここで注目すべきは今年GⅠジョッキーの仲間入りを果たした松若風馬騎手だ。

松若風馬騎手、過去5年間単勝万馬券



実は松若騎手が記録した単勝万馬券5回のうち4回が3コーナーで2番手以内につけた時である。

近5年間の勝利数は244勝なのだが、2番手以内で3コーナーを迎えた時に126勝(51.6%)をあげている。また、4回は牝馬限定戦で記録している。今思えば、モズスーパーフレアでの高松宮記念の激走も必然だったのだ。

競馬を楽しむうえで「回収率」は必ず気にしなければならないファクターだ。1日12レース中8レース的中した場合、的中率は約67%だが回収率が100%を超えていない場合「負け」という事になってしまう。逆に1レースしか当たらなくても100%を超えていればその日は「勝ち」なのだ。競馬という趣味を長く続けていくには回収率に注目しない手はない。当面はレーン騎手と丸山騎手に要注目だ。

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。