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【皐月賞】トレンドは変化する!京大競馬研究会は2019年のホープフルSに注目

2019年ホープフルS出走馬のその後ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

激流!皐月賞のペース

いよいよ3歳牡馬クラシックの皐月賞だ。今週も無観客競馬だが競馬が開催されることに感謝したい。

まずは過去3年の1000m通過タイムに注目すると2019年 59.1秒、2018年は59.2秒、2017年は59.0秒と毎年ハイペースで厳しい流れになる傾向。今年もコルテジア・キメラヴェリテなどがレースを引っ張りそうでハイペースになりそうだ。ハイペースで厳しい競馬している馬、あるいは好走歴がある馬を中心に狙いたい。

また気になる馬場だが、土曜日が雨で日曜日は晴れ予報。4月の中山競馬場の馬場は気温上昇による芝の育成や春風の影響によって馬場の回復が早く高速化するので、良馬場と想定し予想をする。

GⅠとしての格を持ちつつあるホープフルS

1番人気想定のコントレイルがホープフルSから直行で参戦してくるが、ここでホープフルSについて深く見てみよう。GⅠに昇格して以降のホープフルS出走馬の皐月賞までの重賞、OPまたは500万(現1勝クラス)で3着以内の成績をピックアップしたものである。

ホープフルS組(2着以下)の皐月賞までの主な成績ⒸSPAIA

2017年は弥生賞3着のジャンダルムをはじめとした5頭が皐月賞に参戦した。しかし、それ以外は重賞ではなくOPや500万のものでありレベルも低かった。

2018年はさらに悪く、該当馬が4頭しかいない。2着馬アドマイヤジャスタは少頭数のすみれSで人気を裏切り2着、5着馬ブレイキングドーンは弥生賞でなんとか3着だった程度。GⅠ昇格前は、ホープフルSの 2着馬以降のレベルは疑わざるを得なかった。

しかし、2019年つまり現3歳世代でそれは一変する。その中身が濃く、2着馬ヴェルトライゼンデは、後にスプリングSで瞬発力勝負という不得意なレースながらも2着と好走。3着馬ワーケアは弥生賞を順当に2着と好走。4着馬ラインベックは若駒Sで3着、7着馬ブルーミングスカイは次走1勝クラスで勝利している。

さらに11着馬のガロアクリークは何とスプリングSを制している。このように明らかに過去2年に比べてホープフルSのレベルが上がっておりGⅠとしての格を持ち始めてきた。言い換えれば、ホープフルS組の馬を物差しにして今年は考えていけばいいことになる。

今年もサトノがGⅠを盛り上げる!

◎サトノフラッグ
前走の弥生賞は、先述したホープフルS組が2、3、4着を占め、改めて過去2年よりレベルが高いことが証明されたが、それらを退けたのがこの馬だ。弥生賞は4角を入る前に動いて行き、ものすごい手応えで完勝した。

1勝クラスの勝ち方と時計も良かったが、未勝利戦は1000m通過59.3秒のハイペースで勝っている。1:59.5という時計もさることながら、2、5、6、9着馬が後に早い段階で勝ち上がっていて、レースレベルも非常に高かった。弥生賞の重馬場やペースが速い展開にも対応できたところが非常に魅力的だ。コントレイルを負かすとしたらこの馬しかいないだろう。

○コントレイル
レベルが高い2019年ホープフルSの1着馬。4角に入る時には持ったままで直線軽く仕掛けるだけで完勝した。

あとはやはり後続を突き放した東スポ杯2歳Sを強調したい。勝ち時計1:44.5というのは素晴らしい時計で普通2歳戦では出ない時計。過去10年2歳戦の1800mを1分45秒以下で走破した馬はコントレイル以外存在しない。

また強調ラップの推移も驚くもの。1000m通過が58.8のハイペースで、ラスト3F11.7 - 10.8 - 11.4と速い上がりを使えている。普通、道中のペースが速いと時計は出るが、最後のラップは大きく失速してしまうことが多いが、この上がりは秀逸。休み明けも去年のサートゥルナーリアのように苦にしなさそうだ。

▲レクセランス
ホープフルS4着馬ラインベックや7着馬ブルーミングスカイを前走すみれSで退けたのがこの馬だ。すみれステークス(1着)の時計2:12.7でレース上がりは35.3。ディープ産駒だが、上がりがかかる展開で好走している。また、2走前の福寿草特別を見ると4角に入る前から手が動いていたが、じわじわと差を詰めて勝利。ズブい馬だが、じわじわ脚を使うためペースが流れそうな皐月賞は合っている。切れないディープ産駒というのが2017年のアルアインと被るので押さえておきたい。

△ダーリントンホール
まず、新馬戦(1着)の内容が優秀。スローペースで各馬、直線まで足が残っているにもかかわらず、ラスト2Fだけで後方から差し切った内容が強かった。そして2走前の葉牡丹賞は3着だったが、時計が速く高速馬場への対応力も見せた。勝ち馬グランデマーレは戦線を離脱したものの、新馬戦の内容からもハイレベルな馬に違いない。また2着馬エヴァーガーデンも常に1勝クラスを好走。4月5日についに勝ち上がった。

ダーリントンホールの血統から、共同通信杯(1着)のようなスローペースよりもタフな流れが向きそう。それに馬場が重くなればさらにパフォーマンスを上げてくるイメージもある。

皐月賞2020 予想
◎サトノフラッグ
○コントレイル
▲レクセランス
△ダーリントンホール

(文:ケータロー)