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GⅠ完全制覇へ!ディープインパクト産駒が越えなければならない鬼門(短距離・ダート編)

2020 6/16 06:00門田光生
ディープインパクト短距離・その他インフォグラフィックⒸSPAIA

ⒸSPAIA

鬼門のスプリント・ダート路線

数々のGIを勝ってきたディープインパクト産駒だが、JRAでまだタイトルを取っていないのは高松宮記念、スプリンターズS、フェブラリーS、そしてチャンピオンズC。このことから、芝1200mとダートは苦手分野ではないかと推測できる。

まず芝1200だが、芝1400、芝1600、芝1800、芝2000、芝2200m、芝2400mと比較して、勝率、連対率とも最も数字がよくない。このカテゴリで重賞勝ちした馬は、アレスバローズ、ウリウリ、サトノルパン、シャイニングレイ、ブランボヌールの5頭だけ。ダービー馬をすでに5頭出していることを思えば、この頭数はさすがに少なすぎる。

続いてダートを見ると、芝の勝率が14%弱なのに対してダートは8%ほど。連対率も約10%弱落ちる。さらにいえば、障害よりも数字が悪い。JRAのダート重賞勝ち馬も、ボレアス(レパードS)と、京都で行われたJBCレディスクラシックを勝ったアンジュデジールだけ。さすがに苦手といって間違いないだろう。

ディープインパクト自身の血統構成が芝向きというのがあるが、無敗の三冠馬という実績、父はチャンピオンサイアーのサンデーサイレンス、加えて社台スタリオンステーション繋養ということでバックアップ体制も万全。

当然ながら産駒の目指すところはダービーを中心としたクラシック制覇となり、それに適した繁殖牝馬が配合相手となる。ディープインパクトとのためだけといえば言い過ぎかもしれないが、それに適した良血の繁殖牝馬を海外から輸入することも多々あった。クラシックを取るのに適した配合を重ねた結果、スプリント路線とダート路線が手薄になってしまった、という解釈もできなくはない。

ダート苦手は馬体重の軽さ

また、ディープインパクト産駒は440~479キロでの出走回数が全体の半分以上を占めている。500キロを超える産駒の出走率が低いのも、ダートを苦手としている要因かもしれない。ちなみに、芝、ダートともに得意としているダイワメジャー産駒は460~499キロでの出走回数が多く、500キロ超の馬が出走した回数も全体の2割以上を占めている。

そのダート重賞を勝ったボレアスとアンジュデジール、そしてCBC賞を勝ったウリウリとシャイニングレイは、母の父がフレンチデピュティか、その仔クロフネという共通点がある。ディープインパクト×フレンチデピュティの組み合わせはダービー馬も出しており、Storm Catと同様に有力なニックスといえるだろう。

最後に障害だが、2014年にレッドキングダムが中山大障害を勝利。ダートやスプリント戦より、グランドジャンプを勝ってJ・GIを完全制覇する方が案外早いかもしれない。

ディープインパクト短距離・その他インフォグラフィックⒸSPAIA

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