桜は来年も咲きますから
桜花賞(4月12日)は宝塚市にある阪神競馬場で行われる。最寄り駅は阪急電鉄今津線の仁川駅。大阪方面からは阪急をはじめ、阪神やJRなどの電車を使って仁川を目指すファンが多いと思われるが、大阪と兵庫間といえば、以前に名指しで移動を自粛要請された区間でもある。先週の大阪杯同様、無観客での競馬が濃厚か。
阪神競馬場の桜は桜花賞当日に開花するよう、職人たちの手によって管理されている。満開の桜をバックに生観戦というのは、ぜひとも経験したいシーンのひとつでもあるのだが、それがかなわない(可能性大)のは何とも寂しい。「桜は来年も咲きますから」という言葉を胸に、今週も画面を通じて声援を送ることになりそうだ。
激熱ゾーンは単勝3~4倍台
桜花賞は2歳女王を決める阪神JFと同じく、阪神のマイル戦(外回り)で行われる。同様の条件で行われるチューリップ賞との関連は有名だが、阪神JFとのつながりも結構深い。2009~2018年の10年間、阪神JFで馬券に絡んだ30頭のうち、桜花賞に出走したのは25頭。その内訳は【4-4-4-13】で、約半分の確率で再度馬券に絡んでいることになる。
阪神JFにしても桜花賞にしても、外から差し届くイメージが強い。今回参考にしている2010~2019年までの過去10年間のデータを見ても、追い込み馬が8連対。外回りで行われる競馬とはいえ、追い込み馬がここまで強いのも珍しい。ひと昔前は「魔の桜花賞ペース」と呼ばれる速い流れが差し馬台頭を呼び込んだケースが多々あったのだが、改装後は同じ差し有利でも、長い直線を生かして決め手のある馬が上位に来るイメージ。いずれにせよ、桜花賞は差し馬が狙いというのは変わらない。
差し切るにしても、外を回って直線一気の印象が強かったのだが、データ上では真ん中付近が理想の枠となるようだ。外枠も悪くない数字だが、問題は内枠。1、2枠は勝率0%、2枠に関しては連対率も0%。多頭数で決め手勝負になりやすいレースだけに、包まれて身動きが取れないのが致命的なのか、ともかく内枠不利というのは頭にたたき込んでおきたい。
では、桜花賞は荒れるのか、荒れないのか。本命党にしても穴党にしても、そこが一番気になるところだが、このレースは1、2番人気馬の連対率が50%以上あり、馬単が万馬券になったのは2回だけ。半面、3連単では20万馬券や60万馬券が出ており、穴党が買うなら3連系の馬券が正解かと思われる。
1、2番人気が強い桜花賞だが、オッズで見ていくと単勝1倍台(勝率20%)、単勝2倍台(勝率25%)より、単勝3倍台(勝率75%)、単勝4倍台(勝率33%)の方の確率が高くなっている。特に、単勝3~4倍台の成績は【4-3-0-0】で、何と連対率100%というデータがある。このあたりのオッズで収まりそうな馬がいれば、軸としての信頼度はかなり高いことになる。
また、GIは意外に複勝の配当がおいしいことが多いのだが、複勝1番人気より2番人気の方が勝率、連対率ともに上回っているのも覚えておいて損はないだろう。
コース改装後の桜花賞は決め手勝負になりやすい傾向から、ディープインパクト産駒が大活躍。同様にキングカメハメハ産駒も勝率、連対率ともディープと互角か、それ以上の数字を残している。
最後に生まれた月だが、遅生まれだと不利な傾向。特に5月以降に生まれた馬は14頭が出走して勝ち馬はゼロ、2着も1回だけ。今年これに当てはまるのはクイーンCを勝ったミヤマザクラとフィリーズレビューを制したエーポス。どちらもある程度の人気しそうで迷ったら消すのも一つの手だ。