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馬術競技にはどんな種目やルールがあるの?

2016 12/16 11:07
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Photo by Perry Correll / Shutterstock.com

馬術競技にはどんな種目があるのだろうか。種目ごとに解説していきたい。また、基本的なルールについても紹介する。

馬場馬術の基本ルール

馬場馬術は、アリーナと呼ばれる競技場で行われる。アリーナは20m×60mの長方形で、各地点にはマーカーと呼ばれる表記があり、そのマーカーを目印に演技を行う。

演技の正確さや美しさを競う種目で、常歩(なみあし)、速歩(はやあし)、駈歩(かけあし)という3種類の歩き方を基本に、さまざまなステップを踏んだり、図形を描いたりする。また、技には名前があり、その場で足踏みをするピアッフェ、後ろ足を中心としてその場で回転するピルーエットなどが代表的だ。

馬場馬術は審査員による審査で演技の優劣を決める

馬場馬術では複数の審判員による審査が行われ、各運動ごとの0~10点の点数と演技全体の印象について採点した点数を合計する。また、自由演技においては芸術的評価が加わる。それぞれの得点を満点で割ってパーセンテージで表し、その数値が大きい人馬が上位となる。

最終得点率において60%を獲得すれば、その種目で求められている運動はほぼ出来ているという事になるが、世界チャンピオンクラスの人馬は、グランプリ自由演技で90%以上という驚異的な数字をマークしている。

障害馬術の基本ルール

次は障害馬術のルールについて紹介しよう。障害馬術は大障害や中障害Aなど5つのグレードに分かれており、各グレードによって障害物の最大高さが変わる。大障害では障害物の最大高さが160cmにもなり、人間の背の高さほどに達する。

また、障害の奥行きが200cmを超えるものもあり、選手の技術と馬の能力、人馬の勇気、さらに人馬のコンビネーションが揃ってこそ、迫力と華麗さを兼ね備えた走行と飛越を見せることが可能となる。

障害馬術における反則とそのペナルティ

障害馬術には、走行中の過失に対するペナルティがある。障害物の落下や障害物の前で馬が停止するなどの反抗には減点が課せられる。馬の反抗は2回目は失権(失格)となり、コース走行中に馬の反抗が45秒以上続いた場合は即失権となる。

障害飛越には規定タイムが設けられており、規定タイムを4秒超過するごとに1点の減点が課せられる。その他、落馬や人馬転倒、経路違反は1回で失権です。障害物を落とさず、規定タイムより速く走破すると点数が高くなる。

総合馬術の見どころはクロスカントリー競技

総合馬術競技は3日間で行われる。初日は馬場馬術競技で、ここでは馬の調教審査が行われる。2日目にこの種目のメインとなるクロスカントリー競技が行われ、野外走行で障害飛越したり、自然の起伏を走って耐久力を審査。障害には水濠障害や池、竹柵など危険なものが目白押しだ。

走破後は獣医によるホースインスペクション(馬体チェック)が行われ、そのチェックを通過した人馬が3日目の余力審査となる障害馬術競技に進むことが許されるという過酷な種目だ。

歴史の浅いエンデュランス競技は馬のマラソン

最後にエンデュランス競技をご紹介したい。この競技の日本での歴史は浅く、2000年から全日本大会が始まった。「馬のマラソン」と言われる競技で、大会によって距離はさまざまだが、長いものでは80kmにも及ぶものもある。

この競技で必要とされるのは、人馬ともに健康に走り抜くこと。競技者は、走行中も馬の健康を気遣いながら、またクルーと呼ばれるサポートスタッフと馬の健康状態をケアしながら、ゴールを目指す。

まとめ

普段はあまり見かけることのない馬術だが、もし身近で開催されていたら一度足を運んで観戦しるといい。 人馬が一体となる演技に魅了されるだろう。 人馬がコミュニケーションをとる光景も一見の価値がある。