あん馬で使われる器具はどんなもの?
まずは、演技に用いられる器具から見てみましょう。「あん馬」という器具は、乗馬の鞍を模したもので、長さが1メートル60センチ、幅が35センチになっています。かなり長い印象ですね。
ボディのつくりとしては、木枠の上にスポンジを当て、その上から超特大のサイズの牛革で包むようになっています。
演技を行う馬上の高さは1メートル5センチとなっており、馬上には「ポメル」と呼ばれる、選手が演技の際に握る把手がついています。
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オリンピックでメダルラッシュに湧いた体操競技ですが、どのように採点しているのでしょう? あん馬のルールと採点方法などの基礎知識をおさらいしてみます。 また、男子と女子との違いを知ると、違った目で競技が見られるかもしれません。
まずは、演技に用いられる器具から見てみましょう。「あん馬」という器具は、乗馬の鞍を模したもので、長さが1メートル60センチ、幅が35センチになっています。かなり長い印象ですね。
ボディのつくりとしては、木枠の上にスポンジを当て、その上から超特大のサイズの牛革で包むようになっています。
演技を行う馬上の高さは1メートル5センチとなっており、馬上には「ポメル」と呼ばれる、選手が演技の際に握る把手がついています。
あん馬は男子のみの種目で女子にはありません。
と言うのも、あん馬の演技は馬上で自身の体を2本の腕のみで支持し、なおかつ止まることなく振動や回転を続けるので、非常に腕力を要する演技になります。男子と比較した際に女子の筋肉は柔らかいので、筋肉が切れてしまう恐れがあるため、女子では行われていないのです。
見た目は地味に見えるあん馬の演技ですが、実は非常にハードであるということが分かっていただけると思います。
あん馬の演技は、あん馬に手をかけた状態から飛び上がった時点から演技が開始されます。あの時点から審査が始まっているわけですね。そして、演技終了時に着地する終末技までの間に、振動技・移動技・旋回技・転向技を組み合わせて演技を構成しています。その間にあん馬から落下したり、演技を静止させたりとすると減点の対象になります。
また、他の体操種目と同様に、一連の技がいかに流れ良くスムーズに大きく美しく行われているかという点は、あん馬という種目の見せどころであり、採点を行う上での大きなポイントとなります。
地味な印象があり、演技の良し悪しが分かりにくいあん馬ですが、どのように採点されているのかご紹介したいと思います。
演技価値点(Dスコア)と実施点(Eスコア)を合算したものが得点となり、その得点の高さがそのまま順位となっています。
演技価値点は、演技で実施する技の難度や構成によって技ごとの点数が決められており、その点数を合計したものになります。
実施点は、規定の減点項目に応じて10点満点からの減点方式で算出したものになります。技の技術不足や体軸のずれなどは減点対象となります。
あん馬という種目は、床や跳馬、鉄棒などで見られるようなアクロバティックな要素よりも、断然に腕力を要する種目になります。
ですので、アクロバティックな感覚よりも、まずは腕力がなければいけないということで、独自の専門性を求められるため、体操の選手の中でもあん馬に特化したスペシャリストが存在しています。
また、体操は「日本のお家芸」とも言われますが、実は日本がオリンピックで唯一金メダルが獲れていない種目があん馬なのです。
あん馬のルールと採点方法、男女の違いなどの基本知識でしたが、いかがだったでしょうか。 今後、あん馬の演技をご覧になる際には、審査員になったつもりで見てみると、また違った見方ができるかもしれませんね。