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体操の観戦がもっと面白くなる!「床」のルールと基礎知識

2016 12/9 12:03
体操
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Photo by Laura Stone / Shutterstock.com

オリンピックでメダルラッシュに湧いた体操競技ですが、どのように採点しているのでしょう? 床のルールと採点方法などの基礎知識をおさらいしてみます。 また、男子と女子との違いを知ると、違った目で競技が見られるかもしれません。

体操の「床」は特殊構造でできている

まずは、体操の床の競技が行われているあの「床」ですが、競技を見ていると、選手がジャンプする際にたわんでいるように見えませんか?
実は、あの「床」は「タンブリングバーン」と呼ばれている特殊な「床」になっています。スプリングやスポンジなどの反発材が下についた丈夫な板の上にカーペットが重ねられているといった構造になっているため、非常に飛び跳ねやすくなっているのです。 また、広さは12m四方になっており、この中で規定された技を組み合わせて演技し、その得点で順位を競います。

体操・床の基本ルール(男子)

床の競技が12m四方の中で行われることは先ほども触れましたが、基本ルールとして、この四隅に必ず一度は到達しなければいけないという男女共通のルールがあります。
男子は、70秒以内に徒手体操的な運動、平均技、力技、跳躍技、跳ね起き技、倒立回転技、宙返り技を組み合わせて演技をします。よって、男子選手の競技に多く求められているものは、強靭さ、柔軟さ、技のダイナミックさということになります。また、競技中に伴奏がないという点は、女子との大きな違いになります。

体操・床の基本ルール(女子)

一方、女子の競技は、演技時間は90秒以内となってます。そして、流れる伴奏に合わせる形でアクロバット系の技、ジャンプの組み合わせやターンなどを組み合わせて演技をします。
女子選手に求められるものは、演技の優雅さ、バランス、美しさやリズム感の良さになります。男子選手は技そのもののクオリティや難易度をメインに採点されるのに対し、女子選手は、それに加えて伴奏に合わせた全体の演技の演出性と表現力も求められることになります。

体操・床の採点方法

演技の順位を決める採点方法ですが、演技価値点(Dスコア)と実施点(Eスコア)を合算したものが得点となり、その得点の高さがそのまま順位となります。
演技価値点とは、演技で実施する技の難度や構成によって技ごとの点数が決められており、その点数を合計したスコアのことです。上限はなく、技そのものはA~Gのランクに分類されています。よく「G難度」などいう言葉を耳にしますね。 また、実施点とは、規定の減点項目に応じて、10点満点からの減点方式で算出したものになります。技の高さ不足や体軸のずれなどが減点の対象となります。

体操・床における反則と減点の対象

体操競技そのものの基本ルールとして、終末技において足以外で着地をしてはいけないというものがあり、これは全種目で禁止されています。
床においては、男子70秒以内、女子90秒以内というルールで定められた時間を超過したり、ラインで囲われている12m四方のラインから出たりすると、それも減点の対象となります。また、技を行う際に四隅のギリギリの位置まで下がる際にも、必要最低限の歩数で美しく下がらなければ、これも減点の対象となります

まとめ

以上、体操・床のルールと採点方法、男女の違いなどといった基本知識でしたが、いかがだったでしょうか。 今後、床の演技をご覧になる際には、審査員になったつもりで見てみると、また違った見方ができるかもしれませんね。