歴史の前にそもそも新体操とは?
新体操は、ロープやリボンなどの道具を使用して正方形のマット上で演技を行う競技だ。採点競技で、演技の難度やその芸術性に対して配点が決まる。女子新体操では、優雅な演技を、男子新体操ではダイナミックな演技を見ることができる。新体操では、手具を真上に高く投げ上げ、落ちてくる前に演技を入れてキャッチする場面があるが、手具を落としてしまうと減点の対象になる。
また、華やかさを演出するために、男子女子共にレオタードを着用して演技が行われる。
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新体操と言えば女子の華やかな演技がイメージできるが、意外とその歴史は知られていないのではないだろうか。また男子新体操も女子新体操と比べ、歴史は浅いだが、そのダイナミックな演技で注目されている。そこで、今回は、女子と男子の新体操の歴史を紹介する。
新体操は、ロープやリボンなどの道具を使用して正方形のマット上で演技を行う競技だ。採点競技で、演技の難度やその芸術性に対して配点が決まる。女子新体操では、優雅な演技を、男子新体操ではダイナミックな演技を見ることができる。新体操では、手具を真上に高く投げ上げ、落ちてくる前に演技を入れてキャッチする場面があるが、手具を落としてしまうと減点の対象になる。
また、華やかさを演出するために、男子女子共にレオタードを着用して演技が行われる。
新体操は、本格的な競技になる前には、ドイツで手具を使った体操として行われていたが、現在のように高度な手具操作が見られることはなく、どちらかと言えば体操のおまけに手具を使用しているようだった。また新体操はバレエの優雅な動きと関係が深いことで知られており、ロシアで盛んに行われていた舞踏も影響していると言われている。
国際競技となったのは、1963年のブダペストで行われた世界選手権からで、1984年のロサンゼルスオリンピックでは女子新体操競技が公式種目になった。
新体操が日本に登場したのは、1968年に行われた全日本新体操学生選手権からだ。それまでの体操と言えば、バク転などのアクロバティックな演技が行われていたが、そうした競技とは違った、手具の手さばきや芸術性などを争う競技である、という点で新体操と呼ばれていた。床から手が離れる演技がない、という点でも体操とは異なる競技として広まっていった。
現在では新体操は、フィギアスケートやシンクロナイズドスイミングの練習に取り入れられるなど、様々な方面で注目されている。
男子新体操の発祥は、日本だ。起源は、戦前から行われていた団体徒手体操と言われている。その後、1949年に国体の正式種目にもなっている。身体のみで行われる一糸乱れぬダイナミックな演技が特徴で、現在でも男子新体操の団体演技では、手具が使用されることはない。
普及率の低さもあり、残念ながら2008年には、国体の正式種目から休止扱いという形で外れてしまった。しかし、その芸術性の高さは競技以外でも注目されており、舞踏芸術として海外公演が行われることもあった。
男子新体操は、日本ではテレビ番組に取り上げられるなどして知名度が高まっているが、競技人口が少なく世界的な普及率が低いため、オリンピックの正式種目には未だ採用されていない。
2016年のリオデジャネイロオリンピックの閉会式では、青森大学男子新体操部員が約20人でのパフォーマンスを行い、正式種目採用をアピールしている。この時に行われたパフォーマンスが世界的に絶賛されるなど、今後、国際大会やオリンピックでの公式種目採用が期待されている。
女子と男子の新体操競技の歴史を紹介した。男子新体操が意外にも日本発祥の競技であることなどは、初めて知ったという方も多いのではないだろうか。女子、男子共に新体操の今後の発展に期待したいところだ。