体操における平行棒はどんな種目?
体操の平行棒種目は、柔らかくしなる棒を高さ2mの位置に水平に並べ、その上で演技をする種目だ。
鉄棒や床などの他の種目に比べ、振動技が競技中繰り出されることが多いだ。
また、棒を2本使うことから、棒を握ることなく両腕を棒に置いて行う平行棒独自の技が多いことも特徴だ。棒上で体を旋回させる旋回技、体を一定時間静止させる静止技などもある。棒から離れて着地することで演技が終わるが、その際繰り出される終末技のダイナミックさが平行棒の一番の見どころと言える。
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体操種目の中でも平行棒は豪快な離れ技が少ない分一見地味に見えるかもしれない。しかし、優れたバランス感覚が必要とされるのはもちろんのこと、平行棒ならではの技が多いため、この種目を特に得意とする選手もいる。今回は平行棒を得意とする名選手を年代問わず4人紹介する。
体操の平行棒種目は、柔らかくしなる棒を高さ2mの位置に水平に並べ、その上で演技をする種目だ。
鉄棒や床などの他の種目に比べ、振動技が競技中繰り出されることが多いだ。
また、棒を2本使うことから、棒を握ることなく両腕を棒に置いて行う平行棒独自の技が多いことも特徴だ。棒上で体を旋回させる旋回技、体を一定時間静止させる静止技などもある。棒から離れて着地することで演技が終わるが、その際繰り出される終末技のダイナミックさが平行棒の一番の見どころと言える。
マリウス・ウルジカはルーマニアの体操選手だ。選手として活躍したのは1990年代から2000年代中頃までで、オリンピックにはアトランタ、シドニー、アテネの3大会に出場している。得意種目は平行棒とあん馬で、それぞれに彼の名前のついた技を残している。平行棒で彼の名前がついた「ウルジカ」は、前方伸身宙返り1回ひねり腕支持だ。E難度のこの技は、現在ではあまり見ることができないが、技の名前になってしまう選手というのはすごい。
李小鵬(り しょうほう)は、1990年代後半から活躍し、2009年に引退した中国の体操選手だ。平行棒と跳馬を得意としていた選手で、シドニー、北京の両オリンピックでは個人種目の平行棒で金メダルを獲得している。高難度編成の演技構成と技一つ一つの美しさは世界的に定評があった。
後年は怪我に苦しめられ引退したが、体操大国である中国の歴代選手の中でもトップクラスの成績を残した選手だ。
彼の名前をとって名付けられた「リ・シャオペン」という技を残している。
加藤裕之は、1964年生まれの日本の体操選手だ。現在は、リオオリンピックで活躍した加藤凌平の父親として、また体操競技のコーチとして有名だが、現役時代は平行棒の名選手として広く知られていた。特に、彼が現役時代に世界で初めて披露した平行棒の終末技、棒状月面宙返りは「カトウ・ヒロユキ」という技名がつけられ、高難度の技として知られている。
現役引退後は、2008年北京オリンピックから2016年リオオリンピックまで3大会連続でコーチを務めるなど、指導者としての手腕も認められている。
森末慎二は1957年生まれの日本の体操選手だ。1984年のロサンゼルスオリンピックでは、鉄棒競技において10点満点で金メダルを取るなど活躍した。
現役引退後はタレントとしてテレビ番組に出演し、歌手デビューも果たしている。そんな森末慎二は、体操平行棒で彼独自の技「モリスエ」を編み出した。この技は、棒上で後方抱え込み二回宙返りをして平行棒に腕をかける技で、D難度だ。現在では、国際大会やオリンピックなどでよく見られるポピュラーな技となっている。
歴代の体操平行棒の名選手を紹介した。
各選手とも、現役を退いた後はコーチなど様々な道を歩んでいるが、現役時代の輝かしい活躍は記録に、そして記憶に残っている。現代の選手たちにも影響を与えるその技の数々はいつまでも残っていくことだろう。