オリンピック体操競技について
現在、オリンピックにおける体操競技は、男子8種目(団体総合、個人総合、床、あん馬、つり輪、跳馬、平行棒、鉄棒)、女子6種目(団体総合、個人総合、跳馬、段違い平行棒、平均台、床)で実施されています。
かつては綱登りやクラブスウィングなどの種目が存在していましたが、男子は1936年のベルリンオリンピックから現行の8種目、女子は1960年のローマオリンピックから現行の6種目で実施されています。
1984年のロサンゼルスオリンピックから女子手具体操から派生したのが「新体操競技」としてリスタートを切り、2000年のシドニーオリンピックからはトランポリン競技が仲間入りしています。
オリンピック体操競技、世界における勢力図
オリンピックにおけるメダル獲得個数をベースに見てみると、男女ともに1位は旧ソビエト連邦です(男子94個、女子88個)。20世紀無敵の強さを誇った「体操王国」でした。1956年のメルボルンから1964年の東京オリンピックまで出場した女子体操のラリサ・ラチニナは1人で18個のメダルを獲得しています。かつてのソビエトに次ぐのが男子では日本(ソビエト連邦とタイ記録となる合計94個)、女子がルーマニア(62個)です。
男子が世界トップクラスである一方で、日本女子のメダル獲得総数はわずか1個。1964年母国開催だった東京オリンピックの団体総合の銅メダルが唯一のメダルです。
オリンピック体操日本代表について
前述の通り、男子代表はメダル獲得数で見れば世界トップクラスの力を有しています。1960~70年代に最初のピークがやってきて数多くのメダルを獲得。そして21世紀に入り2度目の黄金期が訪れています。
今も語り継がれるのが、2004年の男子団体総合の金メダル獲得を決定づけるシーン。ゆずの名曲「栄光の架橋」とかけた名実況は今も語り草です。女子も男子と比べてしまえば実績では劣りますが、昨年の世界選手権で個人種目で5・6位に入賞する選手が出てくるなど視界良好です。
体操女子日本代表がオリンピックでメダルを獲得できたらどうなる?
さて、そのメダル獲得から遠ざかっている女子の未来を予想してみましょう。
高校生でロンドンオリンピックに出場し安定した演技を見せた寺本明日香が、この夏の女子体操界のエースとなります。彼女のほかにもメダルに手が届きそうな選手が揃っています。総合力はこれまでにないほど高めです。メダルが獲得できれば、女の子に体操ブームが起こるかもしれません。ルックスも十分な女子選手たち、オリンピックメダルを取ったアスリートとなれば、引退後もスポーツキャスターとしてテレビの世界で活躍する日が来るかもしれません。
また、それぞれがキャリアを歩み始めた体操クラブや学校で指導者に転身し、後進を育てていくという好サイクルが生まれる可能性も出てきます。
体操男子日本代表がオリンピックでメダルを獲得できたらどうなる?
続いて、男子について考えてみましょう。これまでの実績は十分。リオデジャネイロオリンピックは団体総合において見事金メダルを獲得。体操界では新たな技を生み出すと、技を繰り出した選手の名前がそのまま技の名称となります。
現在、「シライ」「シライ3」という技を編み出したとされるのが白井健三選手。世界選手権で金メダルを連取するなど脂が乗り切っているこの選手、オリンピックでもメダルを取るとなれば、今後はさらに新たな技が生まれる可能性も出てきます。「シライ4」「シライ5」…どこまで出てくるかが楽しみです。
新たな技が出る=高難易度の技が増えることにもつながります。体操界全体のレベルアップも予想されます。
まとめ
現在、日本の体操競技人口は31,513人(日本体操協会発表)とされています。金メダリストが後進の育成に当たれば間違いなくこの競技人口が伸びてくるはずです。競技人口が伸びれば体操界全体の底上げにもつながります。4年に1度のスポーツの祭典、体操日本代表がどのような成績を収めるのか楽しみですね。