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ゴルフの祭典「マスターズ」で輝いた日本人選手たち

2020 3/8 11:00akira yasu
Ⓒゲッティイメージズ
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4月9日マスターズ開幕

4月9日から13日まで世界4大メジャーの1つマスターズが開催される。ゴルフの祭典といわれているマスターズは、ツアープレーヤーだけでなくゴルフファンにとっても特別な大会だ。今回は過去のマスターズで輝きを放った日本人選手4名の戦いを振り返る。

「キング・オブ・スイング」伊澤利光

故アーノルド・パーマーに「キング・オブ・スイング」と言われるほど美しいスイングの持ち主である伊澤利光は、2001年に4位タイに入った。

初日は71、2日目に66を叩き出し4位に浮上。3日目74で後退したが、最終日67と好スコアでトータル10アンダー。日本人ツアープレーヤーが、マスターズチャンピオンになる可能性を感じさせる戦いぶりだった。

また、この時は1位がタイガー・ウッズ、2位がデビット・デュバル、3位がフィル・ミケルソンと錚々たる顔ぶれ。3人全員がメジャーチャンピオンで、ウッズとデュバルは元世界ランク1位。この次に伊澤の名前が並んだことに日本のゴルフファンは歓喜した。

この年、伊澤は日本ツアーで5勝を挙げ賞金王を獲得。獲得賞金¥217,934,583は今も尚、史上最高獲得賞金だ。現在はシニアツアーで戦っている。

「カウボーイ・シンゴ」片山晋呉

日本ツアーで賞金王のタイトルを5度獲得するなど通算31勝。永久シード権を持つ片山晋呉は2009年に4位に入った。初日に67の4位と好スタートを切り、2日目3日目は70代のスコアだったものの6位以内を維持。そして最終日68でプレーして優勝スコアとは2打差の単独4位に入った。

当時はカウボーイハットがトレードマークの片山。最終日18番ホールのグリーン上でカウボーイ・シンゴはパトロン(観客)達からの多くの拍手を浴びた。47歳になった今季も、レギュラーツアーで32勝目を狙い戦う。もしかしたら、もう1度マスターズの舞台に上がることを目標にしているかもしれない。

優勝見えた?松山英樹

「パッティングを磨けば優勝に届くと思う」

2015年に5位に入った松山英樹の大会終了後のコメントだ。初日を71の18位でスタートして、2日目3日目と70で回りじわじわと順位を上げた。最終日は、この日のベストスコアタイとなる66をマークし5位フィニッシュ。

先述した伊澤同様、この時の松山の前後にいる面々がすごい。1位がジョーダン・スピース、2位がジャスティン・ローズ、3位がフィル・ミケルソン、4位がローリー・マキロイ、6位がダスティン・ジョンソン。全員がメジャーチャンピオンだ。

2011年マスターズローアマの松山。表彰式にも参加した松山にとって、メジャーの中で最も思い入れがあるのがマスターズだろう。今季のマスターズにも松山は出場する。2015年大会時のコメント通り、パッティングが好調であれば優勝争いに加わる期待が持てる。

バレステロスも認めた中嶋常幸

故セベ・バレステロスに「世界で五本の指に入る美しいスイング」と言われた中嶋常幸。マスターズでの中嶋といえば、初出場の1978年大会、2日目の13番ホールでクリークにつかまり13打を叩いたことが有名だが、帝王ジャックニクラウスが46歳で復活優勝した1986年大会で8位に入っている。また、1991年大会にも2度目のトップテン(10位タイ)に入っている。

中嶋はマスターズのテレビ中継の解説でおなじみだ。選手として何度もプレーした人ならではの視点でコメントしている。開催コースのオーガスタ・ナショナルは、風が読みにくい。そして、グリーンは傾斜がきつく、ガラスのグリーンと称されるほどかたくて速い。それらと選手心理を踏まえながらコメントしているので聴き応えがある。

今季のマスターズに出場する日本人選手は、松山と今平周吾の2名。今年もテレビで解説するであろう中嶋が、解説しながらも気持ちの高ぶりを抑えきれないほどの、日本のエースと日本ツアーの賞金王が輝くマスターズを観てみたい。