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【ゴルフ】ラフからのショットについて

2020 3/3 06:00akira yasu
ラフからのショット
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ⒸDean Clarke/Shutterstock.com

まずは状況の確認

ラフには大きく分けて2種類ある。ボールが浮いている場合とボールが沈んでいる場合だ。日本のコースに多い和芝は長く伸ばすとボールが沈むが、通常プレーする時のラフの長さではボールが浮く時もある。北海道や海外のコースに多くある洋芝ではボールはほぼ沈む。ラフにボールが入った場合は、まず、浮いているか沈んでいるか、さらにはその度合いの確認をすべきだ。

浮いている場合

ラフにボールが浮いた状況からのショットは、ティアップしている時と似たような感じになるのでフェアウェイからのショットよりも簡単に感じているゴルファーは多いだろう。アマチュアゴルファーに多いすくい打ちになったとしてもボールの下にスペースがあるためボールに当たりやすい。

その分、上から打ち込み(ダウンブロー)過ぎないように注意が必要だ。浮いている場合に、クラブフェース厚が薄いウッド系のクラブで打ち込み過ぎるとボールの下をクラブヘッドが通ってしまう。ボールの下をクラブヘッドが通ると、クラブフェースの上側の角にボールが当たり、ボールが高く上がるテンプラになることがある。

浮いている場合は、クラブフェースをボールにうまく当てやすい状況であるとはいえ、インパクト時、クラブフェースとボールの間に芝が挟まるので、クラブフェースとボールの摩擦が減る。摩擦が減ると、バックスピン量が減る。よって、ボールが着弾してから止まりにくくなるので、グリーンを狙うショットの場合はボールが止まりにくくなることを前提としてショットする必要がある。

また、クラブスピードが速くなるほど、バックスピン量減によりランだけでなくキャリー距離も伸びる。このキャリー距離が伸びることをフライヤーという。このフライヤーの存在があることで、アマチュアにとっては簡単に感じるものも、プロにとってはイメージ通りの距離を出すことが難しくなるため、神経を使う状況といえる。

沈んでいる場合

ラフを長く伸ばしている、または洋芝を採用しているゴルフ場ではボールが沈む確率が高くなる。ボールが沈むと、クラブスピードが遅いゴルファーほどクラブヘッドが芝の抵抗に負けて飛距離が落ちやすくなる。

また、クラブヘッドが芝の抵抗を受けた時にクラブフェースの向きが乱れやすくなり、ボールが左右に散りやすくなる。インパクト時に手元が浮いてクラブヘッドのトゥ側が下がるアマチュアは一概には言えないが、手元を低い位置に戻せるプロや上級者はインパクト直前にクラブヘッドの根元に芝が絡まるためクラブフェースが急激に閉じて左を向いてインパクトしやすくなる。そのため、ツアー選手の多くはアドレス時にクラブフェースを少し開いて(右を向けて)構えている。

使用クラブが長くなるほど番手通りの距離を出すことが難しくなる。沈み具合によっては、できるだけ短い番手のクラブを持った方が良いだろう。また、芝の抵抗を抑えるため、より打ち込む必要がある。フォロースルーを小さくすると良い。自然とダウンブローになる。

必要以上に力まない

ラフからのショットでは、芝の抵抗に負けまいと力みやすい。力んでしまっては、クラブの重さや遠心力を使いにくくなる。重さや遠心力を使えないと余計に芝の抵抗を受けてしまう。

ラフに限らずだが、いつも通りの力感でスイングしたい。いつもと変えることがあるとすれば、先述したようにクラブを短く持ったり、ツアー選手のようにクラブフェースを開いて構えたりといった準備の部分だ。

3月に入った。冬の間は密度が薄く短かったコースの芝は少しずつ密度が濃く長くなってくる。ボールに当たるかどうかの部分では易しくなるが、ボールの飛び方の想定の部分では難しくなってくる部分があるので、状況判断を正確にできるように努めたい。

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