クラブヘッドの砂への入口だけでなく出口も意識する
芝の上からのショットの場合、リーディングエッジ(クラブフェースの下側の角)をボールの下側に入れることが可能なので、ボールを直接打つ。
深さがあるグリーンサイドバンカーからのショットの場合は、砂にボールが沈んでいる状況から打ち出し角を高くしつつ飛距離を抑えることが求められるため、ボールの手前の砂を打ち、砂にボールを乗せて飛ばす必要がある。直接ボールを打たないのだ。バンカーショットではクラブヘッドが砂に入る時だけではなく、出る時の場所も定めてスイングした方が良い。すると、クラブヘッドの入射角がゆるやかになりやすい。
入射角がゆるやかになると、ボールの手前の砂を打ちながらも、ボールにしっかりと力を伝えることができ、イメージ通りの高さと飛距離を出しやすくなる。入口から出口までの長さの基準は15センチほどとなる。
バンカーショットが苦手なゴルファーは、ボールの手前を打つ意識が強い傾向がある。砂の入口に集中しすぎるあまり入射角が鋭角過ぎて深くもぐりすぎてしまい、ボールに力が伝わらずバンカーから脱出できていないことが多いのだ。脱出できたとしても、思うような飛距離を出せない。そのため、飛距離を出そうと必要以上に強く砂を打ちつけてしまい、クラブヘッドが更に深くもぐってしまうという悪循環に陥っているゴルファーも少なくない。
バウンス角の大きいウェッジを使用する
ゴルフクラブには、クラブヘッドの底の出っ張りを示すバウンスというものがある。シャフトを地面に垂直にした時、リーディングエッジとクラブの底の面が作る角度のことをバウンス角と言う。この角度が大きいほど、出っ張りが大きい。クラブはバウンス角が大きいほど砂の中に深くもぐり過ぎないので、グリーンサイドバンカーからのショットに適しているといえる。
タイトリストのボーケイウェッジの生みの親、クラブ開発者のボブ・ボーケイ氏は「アマチュアゴルファーはバウンス角の大きいウェッジを使用するべき」と言っている。芝の上からのショットでも、大きいバウンス角はメリットが大きい。具体的に数値を挙げるとすると12度ほどあった方が良いだろう。また、バウンス角は、クラブフェースを開くほど活きてくる。クラブフェースを開くと底の出っ張りが大きくなることが分かるだろう。
小さいバウンス角のウェッジが存在する理由は、プロや上級者などライを問わず様々なテクニックを駆使したいゴルファーが大きなバウンス角だと邪魔になることがあるからだ。砂の固さや芝の薄さ、傾斜の具合などを問わずフェースを開いて高い球を打つ時には、バウンス角が小さくないとボールの下にクラブヘッドを入れることができない場合がある。
基準はスクエアスタンスでクラブフェースの向きはスクエアにアドレス
バンカーショットの構えはクラブフェースを開いて両足のラインが左向き(オープンスタンス)で、左足体重ということが前提にされがち。しかし、基準は両足のラインとクラブフェースの向き共にスクエアで、左右の足にかける体重配分は均等の方が良いだろう。
つまり、「砂の固さや必要な打ち出し角、距離などに応じてフェースの開き具合や体重配分を変える」という流れが理想的。砂がやわらかいバンカーから高い打ち出し角が必要な場合はフェースを開き、砂が固いバンカーの場合はダウンブローに打つ必要があるため、「左足に体重を乗せる」といった具合だ。
飛距離は芝の上からのショットの3分の1
クラブフェースの開き度合いによっても変動するが、砂の抵抗を受ける為、グリーンサイドバンカーからのショットの飛距離は芝の上からの時の3分の1程度となる。
例えば、芝の上から40~50ヤード打つ時と同じ大きさのスイングをしたとする。その場合、入射角が適正であれば15ヤードほど飛ぶことになる。
バンカーの苦手意識がなくなるとショットが良くなる期待
バンカーショットが得意になると少ない打数でプレーできるようになり、バンカー脱出の確率やカップに寄る度合いも向上する。また、グリーンまで長い距離を打つ時に「バンカーに入っても良い」と気楽に打てた方が、「絶対入れたくない」と緊張して打つよりもイメージ通りのショットになる確率が高まる。
場所は限られているが、バンカーの練習ができるゴルフ練習場やゴルフコースはある。そういった施設を活用してバンカーを苦にしない技術獲得を目指してしてみてはどうだろうか。
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