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4スタンス理論とゴルフ

2020 2/12 06:00akira yasu
イメージ画像Ⓒwavebreakmedia/Shutterstock.com
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施術家廣戸聡一氏考案の4スタンス理論

先日、プロ野球千葉ロッテマリーンズの新人合同自主トレのセミナーで、ドラフト1位の佐々木朗希の体が大谷翔平や田中将大タイプという評価を受けた。この時のセミナー講師はロッテのアドバイザーである施術家の廣戸聡一氏。廣戸氏は4スタンス理論の考案者だ。

4スタンス理論とは人間の重心位置や理想的な動作は人によって異なり、4種類に分類されることを整理したものだ。上記3投手は4スタンスタイプが同じ(B2)とのこと。4スタンス理論はゴルフにも大いに活用できる理論で、廣戸氏はこの4スタンス理論を活用した体の使い方を多くのゴルファーにも指導してきた。

4スタンス理論

重心位置が土踏まずのつま先寄りをAタイプ、かかと寄りをBタイプ。そして、土踏まずの内側を1タイプ、外側を2タイプとしている。AとB、1と2を組み合わせ、つま先寄り内側がA1、つま先寄り外側がA2、かかと寄り内側がB1、かかと寄り外側がB2となる。

4スタンス理論がメディアで紹介される場合、足裏全体を4分割した絵が紹介されることが多いが、土踏まずを4分割したものと思っておいた方が良いだろう。書籍の中でも「土踏まず」とある。

4スタンスタイプは重心位置が異なるだけではない。軸の作り方、体の使い方も変わる。AとB、1と2で異なり、4つに分類されている。国内外のツアー選手を見ると、皆リズミカルでテンポが良いスイングをしているが、肘や膝があまり動かない選手や動く選手、伸びあがり気味でインパクトしている選手に、つっこみ気味でインパクトしている選手など、体の使い方は様々だ。これらの特徴を整理することができるのも4スタンス理論だ。

4スタンス理論は「正しく立つ」ところから始まり、構え(セットアップ)を最重要事項としている。正しく構えられていないと、体幹と末端が連動したタイプに沿った正しい動作をしにくくなるだけでなく、けがに繋がりやすくなる。

ちなみに、4スタンス理論で正しく立つとは「両土踏まずで地面をしっかり踏む」「土踏まずの上に頭部が乗っている」「骨盤を垂直に立てる」「肩甲骨を垂直に立てる」の項目をクリアすることだ。廣戸氏が主宰している廣戸道場主催のセミナーでは、正しく立つことの重要性を徹底して説いている。アドレスが重要なゴルフでは、機能的にスイングする上でアドレスに入る前の立位も重要なのだ。

4スタンスタイプのそれぞれの特徴

4スタンスタイプ、それぞれの特性を表すワードは多くあるが、ゴルフスイングで最も重要なのが「軸形成」だ。首付け根、みぞおち、股関節、膝、足底の5つのポイントをどう使って軸を形成するのか、「基点」と「可動点」を分けて考える必要がある。Aタイプは、みぞおち、膝、足底が基点となり、首付け根、股関節が可動点となる。Bタイプは、首付け根、股関節、足底が基点となり、みぞおち、膝が可動点となる。

4スタンスタイプの特性の1部ⒸSPAIA

参考書籍:4スタンス理論バイブル

効率的な正しい取り組みを行うために

4スタンス理論の活用には注意も必要。廣戸氏は書籍の中で「4スタンス理論は特定の動きを強制するものではない。各タイプの特性はあくまで不随意、つまり無意識化に顕れる動作」と述べている。

正しく立ち、すべての人に共通する体の使い方をした結果、自ずと表れるありのままの動作が4スタンスタイプの特性だ。そこを念頭に置いて「自分に合った良い動き」と「そうでない動き」を整理しながら、1つの1つの動きに向き合うことは効率的な取り組みになるだろう。

最も正確なタイプチェックは原宿にある廣戸道場でのチェックだが、書籍の中でセルフチェック方法が紹介されている。まずは、ここで紹介されているチェックをしてみると良い発見があるかもしれない。

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