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ショーン・ノリスの逆転賞金王は相性が悪いグリーンでのパットが鍵

2019 11/19 17:00akira yasu
南アフリカのプロゴルファー ショーン・ノリスⒸゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

賞金王になれば史上4人目の外国人賞金王

アマチュアの金谷巧実が優勝した三井住友VISA太平洋マスターズで、ショーン・ノリスが2位に入った。2017年6位タイ、2018年3位タイと、三井住友VISAに相性の良いコースだったが、幸運なことにアマの金谷は賞金を得ることができないため、優勝賞金と同額の4,000万円を獲得。これにより賞金ランキング首位の今平周吾に約700万円差と迫る2位に浮上、昨季に続き、終盤の高額賞金大会の優勝で首位の今平に迫る展開となった。

今季の残り3試合はすべて優勝賞金4,000万円となっており、賞金ランキング3位のチャン・キムや4位の石川遼らにも賞金王の可能性はあるが、現状、賞金王争いは今平とノリスの一騎打ちの様相だ。

ノリスが、1987年のデビッド・イシイ、2010年のキム・キョンテ、2011年のべ・サンムンに次ぐ、史上4人目の外国人賞金王のタイトルを獲得するためには残り3戦どう戦う必要があるかを、過去の成績や今季のスタッツを基に考察する。

ダンロップフェニックスとカシオワールドオープン

今季は残すところ、ダンロップフェニックス、カシオワールドオープン、日本シリーズの3戦。過去、ノリスは最終戦の日本シリーズでは2017年に2位になった実績があるが、2016年に日本ツアーに参戦してからは、ダンロップフェニックスとカシオワールドオープンとの相性が悪い。特にカシオワールドオープンでは3回出場して2度予選落ちをしている。

一方、現在首位の今平はいずれの試合も安定して上位に入っている。今季の安定感と過去のラスト3戦の成績から、今季のラスト3戦でも上位に入ることが予想される。約700万円という差ではあるものの、残り3戦でノリスが今平を逆転することは簡単なことではない。

ショーン・ノリス ラスト3戦 成績ⒸSPAIA
今平周吾 ラスト3戦 成績ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

相性が悪いコースのグリーン攻略を狙う

過去のダンロップフェニックスとカシオワールドオープンでの相性の悪さはその試合の平均パット数に表れている。昨年は両方の試合で平均パット数が60位前後だった。

日本ツアー参戦以降、年を追うごとに賞金ランキングを上げてきており、それを支えているのがパットで、毎年平均パット数が向上しているにも関わらず、この2つの試合ではパットを決めきれていない。

しかし、今季はパットの精度が良く、平均パット数は1位。三井住友VISA太平洋マスターズでも平均パット数は1位だった。

ダンロップフェニックス会場のフェニックスカントリークラブと、カシオワールドオープン会場のKochi黒潮カントリークラブ、2つのコースのグリーンを攻略し、今回は相性の悪さを乗り越えバーディーを量産する可能性は十分にある。

平均パット数(パーオンしたホール) 11月17日時点ⒸSPAIA
ダンロップフェニックスとカシオワールドの平均パット数ⒸSPAIA

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日本シリーズに勝負を持ち込めるか

今平は2年連続賞金王のために、出場資格があったZOZOチャンピオンシップ翌週の米ツアーHSBCチャンピオンズ出場を見送り、日本ツアーのマイナビABCチャンピオンシップに出場した。三井住友VISA太平洋マスターズでは珍しく36位と上位進出ならなかったが、史上3人目の20代での2年連続賞金王へ向けて気合いを入れ直し、残り3戦持ち前の安定した成績を残すことが予想される。

そんな今平をノリスが逆転するためには、まずはダンロップフェニックスとカシオワールドオープンの2試合でパットを武器に上位に入り今平から離されないことが求められる。それをクリアできると、2位に入ったことがある日本シリーズに勝負を持ち込むことができる。

昨季は、賞金王のためには優勝しかない、という切羽詰まった状況で日本シリーズを迎えた。今季は余裕をもって日本シリーズに臨みたいところだ。