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【女子ゴルフ】休養が奏功した鈴木愛、終盤戦初優勝で逆転賞金女王へ望み

2019 11/6 18:06akira yasu
三菱電機レディスで優勝した鈴木愛Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

休養明け2戦目で今シーズン5勝目

11月1日~3日、埼玉県武蔵丘ゴルフコースで三菱電機レディスが開催され、鈴木愛が賞金ランキング首位の申ジエを振り切り今季5勝目、通算14勝目を挙げた。鈴木は左手の怪我の治癒を優先し、9月から10月にかけて4週試合を休んでいた。休養明け初戦のマスターズGCレディース予選落ちで一時は心配されたが、2戦目で優勝したことで周囲は安堵した。

鈴木は三菱電機レディスに2013年大会から出場しているが、ほとんどの年で上位に顔を出している。2016年は予選落ちしているが、ホールインワンを達成。2013年からレギュラーツアーの試合に出場していおり、この年出場した4試合で唯一予選を通過したのが三菱電機レディスだった。

初の終盤戦優勝

過去13勝の内10勝が3月から6月の4か月間に集中しておりシーズン前半戦は好調だ。一方で疲労が溜まって思うようなプレーができていないのか、7月以降の優勝回数が少ない。大会前までは7月未勝利、8月1勝、9月2勝、10月以降未勝利だった。今回の通算14勝目は、初の10月以降の優勝となった。

鈴木愛の月別優勝回数

ⒸSPAIA

今回の優勝で獲得賞金額が4年連続1億円を突破し、賞金ランキング3位に浮上した。賞金ランキング首位の申ジエとは3,000万円ほどの差があるが、賞金女王のタイトルを視界にとらえている。

鈴木が得意とするのはパッティング。毎年安定した平均パットで上位に入っている。パーオン率は高くないものの、パーオンをしたホールでは高い確率で1打で沈める、というのが数字から見える鈴木の特徴だ。

鈴木愛の平均パット数・パーオン率

ⒸSPAIA

賞金女王になる為には最低でもあと4戦のうち一つは優勝しなければ厳しい状況だ。シーズン終盤戦は苦手だったが、今季は終盤戦の前に4週休養し臨戦態勢が整っている。得意のパッティングを武器に2017年以来2度目の賞金女王に向けて申ジエに対抗してもらいたい。

東京オリンピックゴルフ女子日本代表入りの現実味

今季の賞金女王獲得の先には東京オリンピックのゴルフ女子日本代表入りがある。

11月4日時点で、鈴木は世界ランキング24位で、日本代表候補ランキング3位。世界ランキング4位で日本代表候補ランキング1位の畑岡奈紗と、世界ランキング13位で日本代表候補ランキング2位の渋野日向子の世界ランキングが現在のままの場合、鈴木が代表入りするためには優勝を重ねて世界ランキング15位以内に入る必要がある。

先述したように、鈴木はシーズンの前半戦が得意だ。今季残りの試合の頑張り次第では、賞金女王がありえると同時に、来季前半戦に優勝を重ねて世界ランキング15位以内に入り日本代表入り、というものがより現実味を帯びてくる。

賞金女王へ。そしてオリンピック日本代表入りへ。休養で蓄えた力を今季残り4戦にぶつける。