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史上3人目の20代で2度目の賞金王なるか  賞金王争い首位の石川遼を今平周吾が追う

2019 10/2 17:00akira yasu
石川遼(左)と今平周吾Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

賞金王レース 2位の今平が1位の石川との差を詰める

引き続き20代の二人が秋のビッグトーナメントを盛り上げる。

2019年9月26日から29日に開催されたパナソニックオープンでは、2008年、2009年、2011年の3度、ドライバーショットの飛距離と方向性の精度を表すトータルドライビング1位になった武藤俊憲が、40歳を過ぎてもドライバーショットが健在であることを証明し、優勝した。

武藤と三つ巴の優勝争いを戦ったのは賞金ランキング1位の石川遼と、2位今平周吾だ。

2019男子ゴルフ賞金ランキングⒸSPAIA

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パナソニックオープンでは、今平が2位で石川が3位となり、賞金王レースで2位の今平が1位の石川との差を480万円詰めた形になった。

石川が賞金王になれば、2009年以来2度目、今平が賞金王になれば、2018年に続き2年連続となる。

安定してトップ10に入る石川と今平

3位以下との差も大きくないため「一騎打ち」ではないが、2人の賞金王レースはシーズン最終盤まで続きそうである。

石川は優勝した日本プロゴルフ選手権とセガサミーカップ以外でも上位を争っており、安定感が際立つ。

石川が、2018年のトップ10に入った試合は出場した23試合中5試合だったが、2019年はこれまで10試合中5試合でトップ10に入っている。

石川遼と今平周吾の成績ⒸSPAIA

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今平の安定感はさらにその上をいく。2019年は、15試合の内10試合でトップ10入り。初日に棄権したSMBCシンガポールオープンを除くと、5月のダイヤモンドカップが最も下位に沈んだ試合だったが、それでも21位だった。 賞金王になった2018年は24試合中14試合でトップ10に入っており、2018年からだと、優勝は1度しかないものの全39試合中24試合でトップ10に入っているということになる。

2度目の賞金王

石川と今平、どちらかが賞金王になると、どちらも2度目の載冠となる。1973年のツアー制度施行後、20代で2度賞金王になったことがあるのは尾崎将司と中島常幸の2名のみで、両者の内どちらかが賞金王になると、3人目ということになる。

男子ゴルフ賞金王20代で2度獲得の選手ⒸSPAIA

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尾崎と中島に青木功を加えた「AON」は、ゴルフファンの中では言わずと知れたレジェンド的存在。そのレジェンド達の記録に1つ並ぶことになる。

シーズンを通した2人の戦いは2018年から

今平が下部ツアーであるチャレンジツアーで結果を残し、レギュラーツアーを主戦場にし始めた時、石川はアメリカを主戦場にしていた。石川がアメリカから日本のツアーに主戦場を移したのは2017年秋のこと。実は石川と今平は1学年差であるにも関わらず、同じ舞台でシーズンを通して戦うのは今季が2年目である。

2018年の石川遼と今平周吾の獲得賞金額ⒸSPAIA

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2018年は両者ともフルに日本のツアーを戦ったが、安定感抜群の今平が未勝利の石川に大差をつける形で軍配があがった。

果たして2019年はどうなるのか。

ビッグスコアを叩き出す爆発力だけでなく、今季は安定感も兼ね備えている石川が有利な状況だが、シーズン後半は賞金総額が多いビッグトーナメントも多い。1,360万円ほどになった差は、いまだ今平の射程圏内だ。 今後も2人の熾烈な賞金王レースを期待したい。