賞金ランキング制導入のステップ・アップ・ツアー
2018年度LPGAステップ・アップ・ツアー最終戦「京都レディースオープン」が10月17日~19日の3日間行われ、今季の全日程が終了した。
ステップ・アップ・ツアーは、レギュラーツアーへの出場権を持たない選手や新人を対象に実戦の場を与え、試合経験を積ませてレベルアップさせることを目標に設立された下部ツアー。1991年2試合、賞金総額3千万円でスタートして、2018年は21試合、賞金総額4億円を超えるまでに成長した。
当初2日間で行われていた競技日程も、2015年「ルートインカップ 上田丸子グランヴィリオレディース」を皮切りに3日間競技が増え、2016年にはロレックスランキング(女子世界ゴルフランキング)の対象基準10試合を超え、2017年からは3日間競技の成績はランキングに反映されるようになった。
また、2017年からは、賞金ランキング制を導入。賞金ランキング1位には、来季レギュラーツアーのリランキングまでの出場権が、2位~5位までには、10月下旬から行われるセカンドQT、サードQTを免除してファイナルQTへの出場資格、6位~10位と優勝者にはサードQTからの出場資格が与えられるようになった。賞金ランキング上位目指して選手の目の色も変わってきた。
シード権のない選手の生命線QT
QTはクォリファイングトーナメントと言い、翌シーズンのレギュラーツアーやステップ・アップ・ツアーへの優先出場権を獲得するためのトーナメント。2018年は4ステージで行われ(2019年から2ステージ)、8月にファーストQTが行われた。
セカンドQTは10月31日から3日間54ホール、サードQTは11月20日から3日間54ホールの日程が組まれている。
ここを勝ち上がって11月27日から行われるファイナルQTで結果を出して初めて上位での優先出場権を獲得できる。シード権のない選手には生命線とも言えるトーナメントだ。
ファイナルQTには、「大王製紙エリエールレディスオープン」終了時点の賞金ランキング56位~60位の選手や、今シーズンのシード選手で来季のシード権を失った選手など、実力者が出場して上位に食い込むのは容易ではないが、ここに来るまでにも、厳しいステージを突破しなければならない。
ファーストQTは4月1日時点で18歳以上(2019年から17歳以上)の女子なら誰でも出場できるが、セカンドQTはLPGA会員とTP単年登録者、サードQTには「樋口久子三菱電機レディスゴルフトーナメント」終了時点の LPGA 賞金ランキング70位までの者など、レギュラーツアーを主戦場とする選手も参入して、勝ち上がるのが難しいフィールドになってくる。
1ホールの失敗が明暗を分ける厳しい戦いになり、セカンドQT、サードQTの免除はなによりもありがたい。
ステップ・アップ・ツアー賞金女王河本結
2018年ステップ・アップ・ツアーの賞金ランキング1位は河本結が獲得、2019年のレギュラーツアーリランキングまでの出場権を手に入れた。河本は1998年8月生まれのいわゆる黄金世代だ。高校卒業後は日本体育大学に進学して、プロテストは1年遅れの2018年に合格している。
高校を卒業した2017年は、サードQTまで進出するものの、ファイナルQTには進めず、QTランキングは108位と上位には入れなかった。
それでも、2018年はTP単年登録でプロとしてツアーに参戦、レギュラーツアーに6試合、ステップ・アップ・ツアーには12試合出場した。
レギュラーツアーでは6試合中予選落ちが3回と結果は残せなかったが、ステップ・アップ・ツアーでは6月末の「Skyレディース ABC杯」で初優勝を挙げると、以降の出場6試合で3勝を挙げる快進撃を見せ、年間4勝の堂々たる成績で、ステップ・アップ・ツアーの賞金女王に輝いた。
得意クラブは平均飛距離260ヤードだというドライバー。来季レギュラーツアーでの活躍が期待されるが、今の実力を知りたいと、10月26日開幕の「樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント」の予選会に出場、本戦への出場権を獲得した。
ステップ・アップ・ツアーの賞金女王がレギュラーツアーでどう戦うのか、注目したい。