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ドライバーの飛距離と球筋を考察 飛びの3要素とDプレーン理論

2018 10/24 15:00SPAIA編集部
ゴルフ,ⒸShutterstock.com
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ドライバーショット、飛びの3要素とは

ゴルファーにとっての永遠のテーマともいえる飛距離。飛ぶと評判のドライバーがあれば試し、飛ぶと噂のボールは使ってみたくなる。だが現実はそれほど甘くない。

プレーヤーのスイングやクラブの性能によって変わってくるボールの飛距離は、インパクト後のボールの「初速」「打ち出される角度」「スピン」により決定される。これらを飛びの3要素といい「初速」を速くすればボールは飛ぶが、「打ち出される角度」や「スピン」が適切でないと結果は出ない。「打ち出される角度」が小さいとボールはすぐに落下し、大きすぎると高く上がるだけになり、「スピン」が大きすぎると吹け上がって飛距離が落ちる。

当然これらの数値はプレーヤーの技量により大きく変わり、クラブの性能や機能を最大限に引き出すのはプレーヤーの腕次第ともいえる。ただ、使用するクラブによって、結果や実力にある程度の変化をつけることができるのも事実だ。自分のスイングに合ったクラブを選ぶことが重要になってくる。

初速を上げる方法とは

「初速」を上げるにはヘッドスピードやミート率を上げ、反発力の大きいクラブを使うのが効果的だ。ヘッドスピードは筋力や体力を鍛えれば速くなるが、クラブの持つしなりを利用する技術を習得すれば体力を増強する以上の効果が得られる。ムチのようにクラブをしならせるのだが、クラブが硬すぎると思うようにしなってはくれない。しなりを作るには、自分の体力に合った硬さのクラブを選ぶ必要がある。

ミート率や反発力に関してはクラブメーカーが対策をとってきた。スイートスポットを広げ、芯を外しても初速が落ちないクラブや、ヘッドの大容量化やフェース面を薄くすることで得られるスプリング効果で反発係数を上げたクラブなど、選択肢も多い。反発係数の高いクラブは飛びすぎるとして規制がかかったほどなので、効果の程は折り紙付きといえる。

「Dプレーン理論」で打つドローボール

飛びの3要素の残り2つである「打ち出される角度」と「スピン」に「方向」を加味すれば、ボールの飛ぶ方向と球筋が決まってくる。ボールの打ち出される方向は、つい最近までクラブの進行方向と同じだと思われていた。

それがカメラ技術の進歩や測定機器の進化により間違いだと分かった今、ボールはインパクト時のフェース面と同じ方向に打ち出され、クラブの進行方向からフェース面と同じ方向にスピンがかかるとする「Dプレーン理論」が提唱されている。実際の高速度カメラの映像と測定結果から、8割程度の影響を受けるそうだ。

この理論にしたがえば、理想の球筋とされるドローボールやフェードボールも特別なスイングやクラブコントロールをせずとも、実際のラウンドで比較的易しく打てるようになる。右打ちにより少し右に飛び出し中央に戻ってくるドローボールは、フェアウェイセンターよりやや右側にフェースの向きを合わせ、スイングをそれよりも右側に向けて振っていけばいい。

この時、フェースの向きやスイング方向を少しずつ変えて確認してみれば、ドローのかかり具合もわかってくる。ただし、フェースの向きを間違えばとんでもないボールが出るので注意が必要だ。

スイングの方向にフェースの向きが合えばボールは真っ直ぐ右に飛んでいき、スイング方向よりも右を向けば右に出たボールにスライスがかかり、ボールはさらに右に飛んでいく。フェードボールの場合はセンター左にフェースを合わせ、さらに左に向かってスイングすれば良いのだ。

ここまで、ドライバーの飛距離や球筋について理論をもとに考察した。実際に体現するとなると、なかなか難しいかもしれないが、今回の内容を技術向上の一助としていただきたい。