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権藤可恋、LPGA会員ほぼ手中 初志貫徹!ツアー専念で賞金2,500万突破

2018 9/25 11:40SPAIA編集部
権藤可恋,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

TP単年登録者制度の変更にも動じず

LPGAツアー29戦「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント」は9月21日~23日の日程で行われ、地元東北高校出身大江香織の優勝で幕を閉じた。

優勝争いには絡めなかったが、この大会で、シーズン当初からの初志を貫徹、目標を達成した選手がいる。TP単年登録者権藤可恋だ。

TP単年登録者とは、プロテストに合格できなかった選手や、日本ツアーに参戦したい海外選手など、LPGA会員以外で、申請して1年間だけツアーへの出場資格を認められた選手のことだ。これまで前年のQT(クォリファイングトーナメント)に出場してサードQTまで進出すれば資格が認められていた。

ところが、2018年シーズン前に発表された制度変更により、2019年からは、QTへの出場はLPGA会員に限られることになった(2019年のみ一部非会員も出場可)。これまでのように、QTで上位に食い込み出場優先権を獲得、TP単年登録でツアーに参戦するという道は閉ざされる。

LPGA会員にならなければ、QTを受けることができなくなり、試合に出ることもできなくなるのだから、TP単年登録者にとっては一大事だ。

LPGA会員になるには、プロテストを受けて合格するか、LPGAツアーで優勝する、又は、賞金ランキング50位までに入ってシード権を獲得する道がある。ほとんどのTP単年登録者は、優勝やシード権獲得は目標とし、プロテストを受けてLPGAの会員になる道を選んだが、権藤だけはプロテストを受けなかった。

プロテスト受験とシード権獲得の両方を目指すよりも、シード権一本に絞って、シーズンを戦い抜きたいと思ったようだ。2017年シーズンの賞金ランキング50位は22,389,466円だったが、安全を見て目標額を2500万円に設定。この大会で40位タイに入り、見事クリアした。

自分を信じて挑戦したシード権

権藤可恋は1995年10月生まれの22歳。LPGA会員では、プロテストに1発合格を果たした堀琴音や柏原明日架と同学年。高校を卒業した2014年のプロテストに失敗したが、同じ年のQTを54位で通過、2015年はTP単年登録選手として、9試合に出場した。

2015年、2度目のプロテストを受験するも、2打足りずに不合格となり、満を持して臨んだ2016年3度目のプロテストでも、2打足りずに合格できなかった。よほど相性が悪いと思ったのか、2017年のプロテストは受験していない。一方QTの方は、2015年48位、2016年30位と順位を上げて、2016年シーズンは19試合、2017年シーズンは34試合に出場して、経験を積んできた。

そして迎えた2018年は、前年のQT4位の資格でシーズンに臨んだ。この時点で保証されているのは、リランキングまでの出場資格のみ。前半で成績を残せなかったら、シード権獲得はおろか、リランキング以降の出場資格も失ってしまう。

それでも、権藤はプロテストを受けるつもりはなかったようだ。優勝するか、シード権を獲得してLPGA会員の座を目指した。2017年ツアーにほぼフル参戦を果たし、実力がついてきたと実感できたことが大きかった。

前半は開幕戦の「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」で予選落ちを喫したが、「KKT杯バンテリンレディスオープン」で3位タイに入るなど、よく立て直してリランキングは5位で通過。後半戦開始早々3戦連続予選落ちと調子を落とした時期もあったが、そこからも立ち直り、今季29戦目で賞金獲得額2500万円を突破した。

現在の賞金ランキングは35位で、スタートラインに立ったばかりだ。25位までに与えられる「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」の出場や、初優勝に向けて挑戦は続く。