そもそも「フットサル」という言葉はどうやって生まれた?
フットサルで使われる固有の用語はポルトガル語を元にしていることが多いため、初心者には意味不明な言葉も存在する。
そもそも「フットサル」という競技名自体がそうだ。「フット=足」なのは良いとしても「サルって何?」と思われた方はいるのではないだろうか。
フットサルはサッカーを屋内で楽しむことから派生したスポーツだが、サッカーはスペイン語で「Futbol」、ポルトガル語では「Futebol」という。英語の「Football」はアメフトを含むので、これらとは異なる。
そして屋内(室内)のことをスペイン語で「Sala」、ポルトガル語で「Salao」という。これらから「Fut」と「Sal」を組み合わせた造語が「Futsal(フットサル)」である。
ポジションの名称もサッカーとは異なる
フットサルは各チーム5人ずつの選手がプレーするが、それぞれにポジション名がある。
サッカーだとディフェンダーやミッドフィルダー、フォワードなどの英語名が使われるため、比較的意味が伝わりやすいほうだ。これはサッカーがイギリス発祥のスポーツだからである
フットサルで使われる主なポジション名は「ピヴォ」「アラ」「フィクソ」「ゴレイロ」の4つ。いずれもポルトガル語だが、ゴレイロはゴールキーパーと呼ぶ方も多いのでイメージがつきやすいと思う。
ピヴォは「軸、中心」という意味だが、サッカーでいう中盤ではなく先頭、フォワードの位置だ。
アラは「サイド」を指す。役割はミッドフィルダー兼サイドアタッカー、サイドバックとなり、忙しいポジションである。
フィクソは「舵取り」という意味で、ボランチとセンターバックを兼ねた役割を果たす。
プレーにおけるフットサル固有の基本用語
フットサルのプレーで使う言葉にも専門用語が登場する。フットサル固有の基本用語に絞っていくつか説明する。
サッカーでいうゴールキックのことを、フットサルでは「ゴールクリアランス」という。キックではなくスローでプレーが再開されるため、固有の用語になっている。
同じくプレー再開の用語に「キックイン」がある。サッカーでいうスローインのことだが、タッチラインからはスローでなくキックで再開される。
「パラレラ」は、ポルトガル語で「並行」という意味だ。
味方からパスをもらった後、タッチラインと並行する縦のパスを出してサイド攻撃を仕掛ける戦術的な動きを指す。
ナイスシュートの意味合いで使う「ゴラッソ」もポルトガル語。見事なゴールを決めた味方に使う褒め言葉のようなものだ。
なじみのある言葉にもフットサルの基本用語が存在
日本では当然、日本語が入ったフットサル用語も生まれている。
「絞る」という言葉はプレー中によく使われるが、これは守備時に選手間の距離を縮めて、中央にボールを通させないようにする陣形の動きを指す。
「抜ける」という言葉もよく聞かれる。主に味方がボールを保持している時、付近に留まらず前方に上がっていく動きのことだ。相手選手のマークを分散させたい時などに「抜けろ」と指示を出す。
「ファー詰め」も基本用語である。ボールを保持している味方から見てファーポスト(セカンドポストともいいます)へ飛んだパス、またはシュートをゴールに流し込むための動きを指す。フットサルでは「シュートパス」が多用されるので、ファー詰めは重要な動きだ。
これらはサッカーや他のスポーツでも使うことがあるが、微妙に意味が違う場合もあるので覚えておくと便利だ。
フットサルのルールには他のスポーツと似た基本用語が
フットサルの基本用語を伴うルールに「4秒ルール」というものがある。バスケットボールには5秒ルールや3秒ルールがあるが、フットサルでは4秒だ。
試合を再開するプレーはボールを持ってから4秒以内に行う必要がある。これが4秒ルールです。
キックイン、コーナーキック、フリーキック、ゴールクリアランスに適用されるが、キックオフとPKは対象外だ。
「ファイブファール」もバスケットボールと似たルールだ。フットサルの場合、前後半それぞれでチームごとのファールが5つまでは通常のフリーキックが行われるが、6つめのファールからは第2PKマークからのPKとなる。このルールが適用されるのは直接フリーキックに該当するファールだ。
このように、フットサルのルールでも他のスポーツに準じた基本用語を使うものがある。
まとめ
フットサルをプレーする方も観戦する方も、こういった基本用語を押さえておくとより分かりやすく、競技への魅力も増していくと思う。
初心者の方にはなじみの薄い言葉もあるが、特にプレーの上では欠かせませんのでぜひ覚えておこう。