「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

【F1】2020シーズンのレッドブル・ホンダと2強との距離は?

2020 1/19 11:00河村大志
2019年アメリカGP_レッドブル_マックス・フェルスタッペンⒸゲッティイメージズ
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒゲッティイメージズ

「飛躍した」2019年シーズン

ホンダとレッドブルのパートナーシップ1年目となった2019シーズン。ホンダにとって後がない状況であったが、見事なパフォーマンスを見せてくれた。2018年まではルノーのパワーユニットを使用していたレッドブルだが、2018年と2019年の成績を比較してみるとホンダは非常に良い仕事をしたと言っていいだろう。

2018年のレッドブルの成績は獲得ポイント419、優勝4回、表彰台13回、リタイア11回、ポールポジション(PP)2回であった。一方ホンダと手を組んだ2019年の成績はポイント417、優勝3回、表彰台9回、リタイア3回、PP2回である。総獲得ポイント、優勝回数、表彰台回数は前年を下回ったが、リタイア数が大幅に減っている。

パワーユニットの信頼性が低かったことがルノーとのパートナーシップ解消の大きな要因となっていたため、レッドブルの求めていたことに対してホンダはしっかり応えた形となった。信頼性だけでなく、優勝も3回達成し、表彰台も9度獲得と初年度にしては上出来だったのではないだろうか。

またレッドブルもトップチームとして開発を続けてきた。Tウィングやミラーなど細かな空力を投入してきたことにより、ドライバーの腕でカバーできるまでのマシンになった。

エースのマックス・フェルスタッペンはオーストリア、ドイツ、ブラジルでレッドブルに、そしてホンダに優勝をプレゼントした。オーストリアではスタートに失敗しながらも後方から追い上げ、フェラーリのシャルル・ルクレールとの一騎討ちを制し感動的なホンダ復帰後初の優勝を達成した。

ドイツではリタイアが続出する難しいウェットレースを制し、ブラジルでは最強メルセデス、ルイス・ハミルトンを圧倒する見事なパフォーマンスを見せた。当初の年間5勝という目標は達成できなかったが、モナコや鈴鹿など不運でレースを落としたものもある。それをふまえると十分満足できる結果になったことだろう。

レッドブルとホンダのパッケージでチャンピオンを獲れると確信したのか、フェルスタッペンは2023年までチームと契約を延長した。長期契約は信頼の表れでもあり、余計な交渉に神経をすり減らす必要もないため、走りに集中することができる。勝ちにこだわる若き才能が認めたパッケージはトップ2を追い抜くことができるのだろうか。

鍵になるのは「2人目」

レッドブルの上にはメルセデスとフェラーリという高い壁がある。レッドブル・ホンダがこの2強に迫るには何が必要になるのだろうか。まずは2019年シーズンの3チームの成績を見比べてみよう。

表_2019年シーズンの3チームの成績ⒸSPAIA


メルセデスの成績を見てみると、優勝回数と表彰台回数がフェラーリ、レッドブルを圧倒している。シンプルだが、勝ち数の差はやはり大きい。フェラーリはポールポジション回数が示す通り、純粋な速さがあるシーズンだったが、ドライビングエラー、作戦ミス、マシントラブルが足かせになってしまった。レッドブルは信頼性があり、リタイア回数はメルセデスとほぼ同じ、フェラーリと比較してみると優勝回数はなんと同じである。

やはり優勝回数と表彰台回数が足りないわけだが、ここで重要になってくるのがセカンドドライバーの活躍だ。今年は前半戦までピエール・ガスリーが、後半戦はガスリーをトロロッソに降格させ、アレクサンダー・アルボンがステアリングを握った。

アルボンは抜群の安定感で、レッドブル昇格後からブラジルGPまでの獲得ポイントがフェルスタッペンを上回っており、彼の評価は高い。だが、前半戦のガスリーも実はアルボンとほぼ同じポイントを稼いでいた。

やはり表彰台、隙あらば優勝できるドライバーが必要なのだ。コンストラクターズで上位にいくには2人揃って多くのポイントを獲得しなければならない。ガスリーもアルボンもフェルスタッペン仕様に作られた独特のマシンに手を焼いたが、アルボンは今年表彰台に食い込む必要がある。

アルボンは安定感のある成績を残したが、もともとは速さが光るドライバーだ。それはGP3、F2での彼の走りを見ればわかる。ルクレール、ジョージ・ラッセルがチャンピオンに輝いたが、純粋なスピードに関してはチャンピオンに匹敵、もしくは上回っていたのがアルボンだ。F1でも安定感に本来の速さを見せることができれば、フェラーリ、メルセデスとの差はさらに縮まるだろう。

おすすめの記事