ボッタスが今季2勝目をマーク!第4戦アゼルバイジャンGPをレビュー
前戦中国GPで1000回目を迎えたF1、1001回目は第4戦アゼルバイジャンGP。今回もフリー走行ではフェラーリが圧倒するも、予選ではメルセデスが実力を発揮する形となった。
フリー走行では約1秒差をつけていたフェラーリだったが、またしてもポールポジションの獲得を逃してしまう。シャルル・ルクレール(Ferrari)は予選Q2でクラッシュしてしまい、ポールポジションを争う権利を早々に失ってしまった。
一方のセバスチャン・ベッテル(Ferrari)は、Q3でクリアラップを確保するために前に誰もいない状態で走ったが、これが逆にタイムが伸びない原因となってしまった。2kmを超えるロングストレートではトウ(スリップストリームで得られるアドバンテージ)の影響がかなり大きい。通常前方にマシンがいると詰まってしまいタイムを更新することができないが、このアゼルバイジャンに関してはトウの影響がかなりあるため、前方にマシンがいた方が良かったのだ。
また、メルセデスのチーム代表、トト・ウォルフは予選でクラッシュが発生し、赤旗中断となったことで、セッションが伸びたこともメルセデスがフェラーリの前に出れた理由の一つと考えているようだ。
セッションが中断するということはスケジュールが遅れるということ。路面温度が下がったのはメルセデスにとって有利に働いた。もしコースの路面がフリー走行時のように高ければフェラーリが速かったはずだ。フェラーリのルクレールのクラッシュがメルセデスにもたらした影響はかなり大きかったようだ。
予選ではバルテリ・ボッタス(Mercedes)がポールポジション、ルイス・ハミルトン(Mercedes)が2位とフロントローを独占したメルセデス勢が、スタートで争いながらも順位はそのままでレースをリード。後方からはミディアムでスタートしたルクレール が抜群の速さを見せた。このことからミディアムの方が速いことがわかり、中団勢のマシンも序盤からミディアムに履き替えていった。
その後、4位まで上がったルクレールは上位3台のピットインの関係で暫定のトップとなりレースを引っ張る形となる。だが、タイヤ交換を済ませたメルセデス2台がファステストラップを更新しながらルクレールとの差を詰めていく。寿命の短いソフトタイヤへの交換をしなければならないルクレールは、35周目まで引っ張りピットインし6位でコースに復帰した。
一方、トップ争いは先頭のボッタスにハミルトンが迫る。しかし、39周目にピエール・ガスリー(Red Bull)がスローダウンし、バーチャルセーフティーカー(VSC)が導入される。VSCが解除された際に、周回遅れの処理でハミルトンはボッタスとの差を少し広めてしまった。
そして、残り5周からハミルトンとボッタスの息の詰まるバトルが展開される。ハミルトンはDRSが使用できる1秒以内に迫ると、ボッタスがハミルトンとの差を広げる。
一進一退の攻防が続いたが、最終的にボッタスが逃げ切り今季2勝目をマーク。アゼルバイジャンGPでは初のポールトゥウィン達成となった。(2016年にニコ・ロズベルグがアゼルバイジャンでポールトゥウィンを達成しているが、その時はヨーロッパGPとして開催されたため、アゼルバイジャンGP名義では初)。
2位にはハミルトンが入りメルセデスが開幕から無傷の4連勝、4戦連続ワンツーフィニッシュとなった。3位にはフェラーリのベッテルが入った。4位には惜しくも表彰台に届かなかったマックス・フェルスタッペン(Red Bull)、5位には残り4周で新品のソフトタイヤに履き替え、意地のファステストラップを記録したルクレールが入った。
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フリー走行ではトウを使い合いながら決勝に向けて作業してきたメルセデス。1周のタイムではフェラーリに劣るが、予選ではコンディションに助けられ、決勝ではすばらしいレースペースで完璧なワンツーフィニッシュとなった。