オーソドックスながらも高性能な「C12」
ザウバーF1チームが、1993年に初めて参戦した際のマシンが「C12」だ。レオ・ロス氏が設計したマシンであり、メルセデス・ベンツのF1復帰のプロジェクトを引き継いだ形となっている。
エンジンはイルモア製のエンジンを載せており、周囲のチームがどんどんハイテク化を進めていく中、当時の「C12」はベーシックなマシンフォルムと機能の最低限のマシンのような印象だった。しかし、オーソドックスながらもパフォーマンスは高く、新チームながらもコンストラクターズランキング7位という好成績を残した。
フォードと新たに提携した「C14」
「C14」は、ザウバーF1チームが1995年に使用したマシンであり、アンドレ・デ・コルタンツ氏が設計した。前年までのパートナーだったメルセデスとの契約解消後、フォードと関係を結んで開発されたマシンだ。
エンジンは、フォード製のZETEC-Rを採用している。当時のレギュレーションの変更により、3.5リッターから3リッターのエンジンに変更されている。ドライバーの安全を守るサイドプロテクターやハイノーズのボディが特徴的だ。
ライコネン選手のデビューマシン「C20」
「C20」は、ザウバーF1チームが2001年に使用したマシンだ。セルジオ・リンランド氏が設計しており、モノコックを左右に張り出させているツインキールが特徴的なマシンだ。
フロントウイングについては、前年に比べて高くなったが、サーキットに合わせて3種類の高さのフロントウイングを使用していた。エンジンについては、ペトロナス01Aという登録になっているが、実際にはフェラーリ製のエンジンだったといわれている。ちなみに、この「C20」はライコネン選手のデビューマシンとしても知られている。
小林可夢偉選手の乗った「C29」
「C29」は、ザウバーがプライベーターとして再出発した2010年に使用したマシンだ。
F1マシンとしては珍しく、スポンサー名のほとんどない白ベースのマシンだ。フェラーリのエンジンを載せており、フロントダクトを設けたボディだった。元々はマクラーレンが始めたフロントダクトだったが、ザウバーはフロントで得た空気をリアウイングのメインエレメントに当ててダウンフォースを得る構造にした。
このマシンは、小林可夢偉選手が乗ったマシンとしても知られており、トラブルが多い中多くの入賞を果たした。
資金難を脱却した「C36」はどうなるのか?
ザウバーF1チームは、2017年2月に新シーズンを戦うためのマシンを発表した。濃いブルーにゴールドをあしらったデザインのマシンだ。
フロントウイングは、マクラーレンのデザインを彷彿とさせるようなものであるものの、トンネル状の構造を作ることにより、タイヤへ気流が流れ込むような機構となっているようだ。マシンの後方部には、他のチームでも多く採用されているシャークフィンが備え付けられている。資金難を解消した今年のマシンには期待ができそうだ。
まとめ
ザウバーF1チームは、トップに躍り出るようなチームではないものの、話題性の高いチームだ。
特に近年は資金難からの技術不足があったものの、2017年はそれが解消されており、上位を狙っていけそうな予感だ!
名車となる可能性があるかもしれない。