ぎりぎりの戦いだからこそ思い出に残りやすい
F1レースは最高速度、時速300kmに達するほどの驚異的なスピードの世界だ。一歩間違えてしまえば、命の危険にさらされることも少なくない。
そのような世界の中で、ドライバーたちは命がけともいえる駆け引きをしている。そんなギリギリの世界だからこそF1レースには、数々の名場面がよく誕生している。2016年のシーズンでも、印象に残るような戦いをたくさん見せてくれた。
Photo by NCS Production/Shutterstock.com
2017年のF1のレース展開も気になるところだが、2016年の思い出に残っているシーンには、どのようなものがあるのだろうか? 今回は、多くの人の記憶に残っている2016年F1レースの名場面について紹介する。
F1レースは最高速度、時速300kmに達するほどの驚異的なスピードの世界だ。一歩間違えてしまえば、命の危険にさらされることも少なくない。
そのような世界の中で、ドライバーたちは命がけともいえる駆け引きをしている。そんなギリギリの世界だからこそF1レースには、数々の名場面がよく誕生している。2016年のシーズンでも、印象に残るような戦いをたくさん見せてくれた。
2016年のシーズンは開幕戦であるオーストラリアグランプリから波乱の展開となった。
フェラーリが好位置につける中、優勝候補のルイス・ハミルトン選手が勝機を見失って接触などの展開を見せていた。そのような荒れた展開の中で、エステバン・グティエレス選手とフェルナンド・アロンソ選手が豪快なクラッシュをしてしまう。
そのすさまじい様子に一時会場は騒然となったが、なんとアロンソ選手は自ら脱出し、自立歩行をしていたのには驚かされた。
第5戦のスペイングランプリにも印象的な場面がある。メルセデスのニコ・ロズベルグ選手の5連勝、そして昨シーズンからの8連勝をかけた試合だった。
しかし、1周目からロズベルク選手に悲劇が降りかかってしまう。なんと、ロズベルグ選手のチームメイトであるハミルトン選手が、同率1位のタイミングでロズベルグ選手を巻き込んでクラッシュしてしまったのだ。これによって、ロズベルグ選手の開幕5連勝は幻のものになってしまった。1980年代のセナ・プロ事件を彷彿とさせるクラッシュが印象に残った。
第15戦目のシンガポールグランプリでは、非常に珍しい光景を見ることができた。
シンガポールのサーキット場は、コーナーが多いことでも有名で、ブレーキのタイミングや性能が勝敗のカギとなってくる。予選においてリアサスペンションでトラブルを起こしてしまい、最後尾からのスタートとなったセバスチャン・ベッテル選手は、ソフトタイヤを装着して怒涛のごぼう抜きを見せた。
残念ながら5位という結果になってしまったが、トラブルで最後尾スタートでなければ、優勝すら狙うことができたかもしれない。
ピットストップにも名場面がある。
ピットストップというと、数年前のF1においては3秒台でも非常に速いといわれていた。それが現在では、2秒台の前半が平均的といわれている。しかし、第8戦のヨーロッパグランプリにおいて、ウィリアムズのフェリペ・マッサ選手が1.92秒という史上最速タイムをはじき出した!
作業が非常に速く、目を凝らさないと詳細を確認できないほどだ。芸術的でもあるピット作業は注目に値する。
2016年のF1レースでの名場面について紹介した。 勝利につながらないものであっても、記憶に残るシーンというのは非常に多い。 2017年のシーズンも、心躍る名場面をたくさん生み出してほしい。