インド系F1チームであるフォース・インディアの成り立ち
プライベートチームとして活躍していたジョーダン・グランプリが2005年に撤退。買収後の2006年はミッドランドF1チーム、翌年にはオランダのスパイカー・カーズが買収してスパイカーF1として参戦。そして2007年に買収、2008年からフォース・インディアとして新しいチームが誕生しました。
マシン開発拠点としての本拠地はイギリスに置くものの、チーム国籍はインドであり、オーナーやスポンサーなどインド系の企業が連なっています。そのためインド系チームと呼ばれ、ロゴなどもインドの国旗がモチーフとなっています。
着々と実力を伸ばした2016年のフォース・インディア
初年度となる2008年は、スパイカーF1チームが開発したマシンだったため苦戦。しかし翌年の2009年は、ジャンカルロ・フィジケラ選手がベルギーGPでチーム初となるポールポジションを獲得。優勝こそ逃したものの2位でゴール。チームにとって初表彰台、初ポイントとなりました。
翌年の2010年も着々と実力を伸ばし、2011年には6位でシーズンを締めくくりました。しかし2012年と2013年は伸び悩み、上位グループには追いつけずコンストラクターズでも7位と6位。
そこで2014年にはドライバーのラインナップを大きく変更。ニコ・ヒュルケンベルグ選手とセルジオ・ペレス選手のコンビとなりました。この年はコンストラクターズ6位だったものの、翌年は5位、そして2016年は4位と成績を伸ばしています。
2017年のフォース・インディアチームの新型マシンとは
フォース・インディアの2017年の新型マシンは「VJM10」。
フォース・インディアとして参戦して10台目となる節目のマシンで、エンジンは昨年と同じく速さと信頼性があるメルセデス製。エンジンカバーには2017年に復活したシャークフィンをデザイン。そして一番の目を引く特徴は、フロントの先端が独特な形をした“アリクイノーズ”。実際には昨年に使用した鼻孔ノーズの進化版で、気流を整える効果が期待できます。
また、サイドポンツーンの下部は大きくえぐられており、2017年のトレンドであるタイトに絞り込んだデザインとなっています。
今やフォース・インディアのエースとなったセルジオ・ペレス
セルジオ・ペレス選手は、メキシコ出身のF1ドライバー。2016年に好成績を収めていたため、トップチームへの移籍が噂されましたが残留。
そんなセルジオ・ペレス選手は、今や実力派のドライバーですが、圧倒的な資金力をもとにザウバーでデビューしたため、最初はペイドライバーではないかという前評判でした。しかし、当時のチームメイトだった小林可夢偉選手と遜色のない走りを見せ、2012年には表彰台を3度も獲得、ザウバーではチーム発足以来最高順位である2位を獲得しました。
そして、マクラーレンへと移籍を経て、2014年からフォース・インディアに在籍。エースドライバーとして2017年の活躍が期待されています。
メルセデス育成ドライバーのエステバン・オコンが加入
エステバン・オコン選手は、フランス出身のドライバー。レーシングカート、フォーミュラ・ルノーと着実にステップアップを重ね、ヨーロッパのF3選手権ではフル参戦した初年度にチャンピオンを獲得します。
2015年には合同テストなどでF1をドライブ。才能が認められ、メルセデスのドライバー育成プログラムの一員に抜擢されました。2016年8月には資金面でシートを失ったドライバーに代わり、マノー・レーシングでF1レースデビュー。
非力なマシンながらも、参戦したレースはすべて完走しており、その活躍が認められフォース・インディアへと移籍しました。
まとめ
インド系F1チームのフォース・インディアをご紹介しました。
実力派のセルジオ・ペレス選手と若手のエステバン・オコン選手で戦う2017年のシーズン。
2016年は4位となったことで、トップチームのメルセデス、フェラーリ、レッドブルの背中が見えてきたフォース・インディアチーム。
上位チームを脅かす存在として、2017年の活躍に期待が集まります。