5秒速くなるといわれる新レギュレーション
2017年1月に発表されたF1の新レギュレーションは、史上かつてない大規模なレギュレーション変更となりました。
例年であれば、ちょっとした変更で済むものが、今回は見た目も大きく変更されるとも言われています。
このレギュレーション変更を行うにあたって、最速で1周あたり5秒もタイムを縮めることが期待されています。1試合ごとの展開がさらに白熱するものと予想されており、ファンとしても喜ばしいことだと言えるでしょう。
ただし、それによるドライバーの精神的、体力的な負担が大きくなることが懸念されています。
ダウンフォースが増える懸念もある
白熱の試合展開が期待できる一方で、ある一定の懸念事項も目立つようになっています。
今回のレギュレーション変更によって、車体全体のダウンフォースが強くなる可能性が高いと考えられています。そのため、F1の見どころの1つであるオーバーテイクをするチャンスがこれまで以上に厳しくなるのではないかと予想されています。
スピードのある試合展開か、抜きつ抜かれつのすさまじい攻防か、どちらを重きに置くかどうかでメリット・デメリットがありそうです。
車体の主な変更点
車体レギュレーションの2016年からの主な変更点は次の通りです。
2016年/2017年/差
全幅 1800mm/2000mm/+200mm
フロントウイング幅 1650mm/1800mm/+150mm
フロント車軸-フロントウイング前端間の距離 1000mm以下/1200mm以下/+200mm
リアウイング幅 750mm/950mm/+200mm
リアウイング高 950mm/800mm/-150mm
ディフューザー高 125mm/175mm/+50mm
アップスイープ-リア車軸間の距離(mm) 0mm/前方175mm/+175mm
フロントタイヤ幅 245mm/305mm/+60mm
リアタイヤ幅 325mm/405mm/+80mm
最低重量 702kg/722kg/+20kg
燃料使用量 100kg/105kg/+5kg
パワーユニットが減少
パワーユニットに関しては、これまではトークンにより開発制限がかけられていました。しかし、2017年からはトークンが廃止となり、実質的にパワーユニットの開発が自由化となりました。
ただし、2016年までは、年間パワーユニット使用基数が5基であったのに対して、2017年は4基と1基減少してしまう形となってしまいました。
そのため、シーズン中に新しいパワーユニットを投入することができるのは3回となってしまいました。
パワーユニットエンジン部は大きな変更はなさそう
2017年は、パワーユニットの開発に関しては大きな変革をもたらしました。内部のエンジン部分についても、コンポーネント部分の重量制限、サージタンクの中の温度を外気温+10度までとするなどの細かな変更点がありました。
しかし、現在のエンジン部分の技術力競争のメインである予混合圧縮着火部分については、ほとんど関係ないレギュレーションとなっており、影響力はさほどないものだといわれています。そのため、エンジン内部の熱効率が開発チームのカギとなるでしょう。
まとめ
2017年の新レギュレーションでは、マシンの大幅な変更が期待できそうです。
オーバーテイクのチャンスが減るかもしれないという懸念はあるものの、ダウンフォースの増大によりカーブ時のスピードはかなり速くなりそうです。
今年のF1レースも白熱した試合展開を見ることができそうですね!