道を切り開いた高橋大輔選手だけでなくファンにとっても大切な一曲
日本の男子フィギュア界には高橋大輔選手が現れるまで、世界のトップ選手と戦える人はいませんでした。そして2010年に開催されたバンクーバーオリンピックで、その壁を壊すときがやってきました。ショートプログラムを3位で折り返し、むかえたフリープログラム。最初のジャンプこそ失敗したものの、すぐに立ち上がりその後のジャンプは細かなミスはありましたが成功。そして演技力と技術力で高い得点を出し銅メダルを獲得しました。
このとき高橋大輔選手が日本人初として、オリンピックでメダルを獲得できる“道”を切り開くことになりました。そのときの使われたフリープログラムの曲が『道』です。もともとは1954年に公開のイタリア映画『道』の主題歌です。ニーノ・ロータが作曲した曲で、伸びやかな曲調ながら力強さと優雅さを兼ね備えた作品となっており、高橋大輔選手のステップがとても合います。高橋大輔選手だけでなくファンにとっても、大切な一曲となりました。
高橋大輔選手が世界から一躍注目をあびた一曲
元フィギュアの高橋大輔選手といえば、オリンピックで銅メダルを獲得したことで世界的にも有名になったと思いますが、実はそれ以前からも注目されていることをご存じでしょうか。理由は曲のセンスが優れていることからで、2007~2008年シーズンのショートプログラムに使用した『白鳥の湖~ヒップホップバージョン~』は、高橋大輔選手が世界から一躍注目をあびる結果となりました。
クラシックやオペラといった選曲が多いなか、原曲こそバレエ音楽ですがヒップホップにアレンジ。スクラッチをリンクで響かせたのは高橋大輔選手がおそらく初めてのこと。演技もヒップホップに合わせ、さらに高度なキレのあるステップと、リズム感のある上半身の動きがマッチしたショートプログラムになりました。高橋大輔選手も後に「フィギュアスケート界の中での自分の知名度を上げてくれたプログラム」と語っており、音楽のセンスにも優れた高橋大輔選手らしいチョイスの曲となりました。
高橋大輔選手のリズム感が際立ったプログラム『マンボメドレー』
高橋大輔選手のキレのあるステップと華麗な演技力をもっとも際出せたのが、2010~2011年シーズンのショートでの演技です。使用された曲はなんと『マンボメドレー』です。ラテンナンバーのスタンダード『ある恋の物語』と1949年のラテンナンバーのヒット曲『エル・マンボ』、そして誰もが耳にしたことがある『マンボNo.5』を組み合わせたメドレーです。難しいラテン音楽のリズム感を見事に表現した高橋大輔選手は、世界からも称賛されました。
また、この年から採点基準が変更、プログラムや演技における音楽の重要性がアップされ、国際ジャッジのメンバーからもっとも“音楽と調和したプログラム”として評価されました。得意のステップだけでなくジャンプやスピンも、難しいラテン音楽に合わせられたことも高評価につながりました。そしてファンにとってはたまらない高橋大輔選手の決めポーズが、ラテン音楽とあわせて印象に残るプログラムとなりました。
まとめ
高橋大輔選手のプログラムで使用された曲をエピソードを交えてご紹介しました。日本男子フィギュア界の道を切り開いてきたジャンプやステップなど技術力、そしてプログラムの曲を選び演技できる表現力は、日本のみならず世界中の人々を魅了しました。
以上「華麗なステップと演技力が武器の高橋大輔選手の音楽とエピソード」でした。