小塚崇彦ってこんな人!
1989年名古屋生まれの現在27歳。両親ともにフィギュアスケート選手、祖父は旧満州のフィギュアスケートチャンピオンで、愛知県スケート連盟を創設した「スケートの父」とも呼べる存在で、まさに「日本フィギュア界のサラブレッド」と呼ばれました。5歳から氷上に立ち、10歳の頃には全日本ジュニア選手権に初出場。
その後世界を舞台に活躍し、2005年ISUジュニアグランプリファイナル、2006年には世界ジュニア選手権で優勝を果たします。2006年からはシニアに転向。バンクーバー五輪に出場したほか、グランプリファイナルと四大陸選手権で2度の表彰台に立ち、2011年の世界選手権では銀メダルを獲得しました。
2014年のソチ五輪に落選したことをきっかけに現役引退となりましたが、現在はトヨタ自動車社員としてスポーツ関連部署に勤めています。
【ジュニア時代の音楽】小塚崇彦が高得点を連発した「ピアノ協奏曲」
ジュニア時代、最も世界で結果を出したのが2005-06シーズン。国内外の4大会で優勝を収めましたが、特にフリースタイルでの強さが目立ちました。ここで使われていたのが、ジョージ・ガーシュウィン作曲の「ピアノ協奏曲」です。別名「ヘ調の協奏曲」とも呼ばれ1925年に生まれた一曲で、ジャズに強く影響を受けています。
当時は専門家の間でもジャズとクラシックどちらに分類すべきか議論の的となった、クラシック音楽界にとっては革新的なものでした。ピアノの鍵盤を強く叩く音に合わせて前半から大技を次々と決め、世界への階段を着実に登って行きました。
【07-08シーズンの音楽】「ビートルズ・コンチェルト」
老若男女問わず、世界中の誰もが知るロックバンドといえば「The Beatles」。フィギュアスケーターにもよく使用されており、決して珍しくはありません。しかし、ビートルズナンバーがクラシックアレンジされたものを演技に使ったのが2007-08シーズンの小塚崇彦でした。
フリースタイルで「ビートルズ・コンチェルト」を使用。"She Loves You" "Eleanor Rigby" "Yesterday"などのビートルズの名曲に、ラフマニノフ・チャイコフスキー風のアレンジが加わったもので、非常に完成度の高い音楽をバックに氷上で華麗な演技を見せました。
【09-10シーズンの音楽】ロックと出会った小塚崇彦
バンクーバー五輪にも出場した2009-10シーズンは、ロックの2大巨頭の楽曲をベースに戦いました。まず、ショートプログラムではジミ・ヘンドリックスの"Bold As Love"を使用。エレキギター特有の激しいサウンドが散りばめられつつも、全体としてはメロディアスなナンバーとして仕上がっています。ギターの唸りに合わせて踊るかのような演技が特徴的でした。
フリースタイルでは布袋寅泰が演奏する「ギター・コンチェルト」を使用。言わずと知れた日本が世界に誇るギタリストの妙技は、クラシックと見事な調和を見せ、スケートの世界でも光ることが証明されたのです。なお、2016年の引退セレモニーでは、氷上で布袋さんが演奏しながら小塚選手が舞うという共演も実現しました。
【2014-16シーズンの音楽】フラメンコの世界観と出会う
日本が世界に誇るフラメンコギタリストとして知られているのが、沖仁(おき・じん)さん。彼の作品である「レスペート・イ・オルグージョ 誇りと敬意(ファルーカ)」が、キャリア晩年の小塚崇彦の演技を支える音楽となりました。スペインから帰国した2000年から日本を拠点にフラメンコ音楽の先頭に立っている彼が使うのはギター1本。フラメンコ特有の「情熱」を周囲に撒き散らすかのように一心不乱で音楽を奏でる様は、流行のデジタル音楽とは真逆のものです。
小塚崇彦は、2014-15シーズンはエキシビジョンで、2015-16シーズンはショートプログラムでこの曲を使用。情熱ほとばしるダンスを見せつけました。
まとめ
フィギュアスケートの演技において、曲と演技の相性が合うかどうかというのもものすごく重要なポイントになってきます。小塚選手はキャリアを通じて、定番のクラシックとロックやフラメンコといった「意外性」を突く選択を組み合わせてきたんですね。
以上「日本フィギュア界のサラブレッド・小塚崇彦が氷上で使用した音楽まとめ」でした。