フィギュアスケートのステップとは?
フィギュアスケートのステップとは、基本的には「足を踏みかえる動作」を指す。両足の接氷時間が長いものはステップではなく、エッジで氷を押して進む動きは「ストローク」を指す。
フィギュアの競技会で一般的にステップと呼ばれているのは、「ステップシークエンス」だ。ステップシークエンスは、ステップやターンなどを組み合わせた連続技で、プログラムの必須要素として行われている。
ステップにもステップシークエンスにも、それぞれ複数の種類が存在し、難易度は前後の動作や組み合わせ方によって大きく変わる。複雑なエッジ変更や上半身での多彩な表現など、高難度となるポイントはさまざまだ。
基本的なステップの種類
主なステップには以下のものがある。
「トウステップ」
ブレードのつま先部分を使うステップの総称。
さまざまなバリエーションがあり、バレエのようにつま先を突いて踊る動きも含まれる。
「シャッセ」
同じカーブ上に左右の足を交互に置いて踏み変える。
すり足に似た足の動き。
「モホーク」
同じカーブ上で足を踏み変えて方向転換する。
エッジはインからイン、アウトからアウトに乗る。
「チョクトー」
足を踏み変えて前後で異なるカーブ上に乗る。
エッジはインからアウト、アウトからインに変更する。
「クロスロール」
右足のアウトエッジに乗り、左足をクロスして踏み変える。
左足をアウトエッジに乗り変え、右足をクロスして踏み変える。これを繰り返す。
「チェンジエッジによるカーブ」
エッジをイン・アウトに変えることによってカーブする。
ステップシークエンスの種類
ステップシークエンス(以下StSq)は、リンクの使い方によって3種類に分類される。
「ストレートラインStSq」
リンクの短辺から短辺、または対角線を直線的に進む。
ISU公認ステップ要素の中で一番の距離の短さだ。
アイスダンスでは短辺を進むものはミッドラインStSq、対角線を進むものはダイアゴナルStSqと区別している。
「サーキュラーStSq」
リンクの幅(短辺)いっぱいに円を描くように進む。
円は隙間が開かないよう閉じる必要があり、選手には遠心力がかかる。
アイスダンスでは時計回りと反時計回りが区別される。
「サーペンタインStSq」
リンクの端から端までを大きく蛇行しながら進む。
移動距離は最長だが採点方法は同じだ。
要する時間の長さや体力的負担の大きさなどの理由で、競技会では目にすることが少なくなっている。
世界一のステップ。高橋大輔さん
2005-2006シーズンのグランプリシリーズ・NHK杯で、高橋大輔さんのステップは、シングルの選手では世界初となるレベル4(最高難度)を獲得した。ファイナルでは銅メダルを獲得し、日本人男子として初の表彰台に立っている。
2010年のバンクーバーオリンピックでもステップと演技構成点において最も高い評価を受け、男子シングルでは日本のみならずアジアで初のメダリストとなっている。
深いエッジワークで複雑なステップを踏みながら体全体を大きく使う高橋大輔さんのスタイルは、既存のステップとはまったく違うものだった。
高いスケーティング技術と情感豊かな表現力を存分に活かし、斬新な試みでフィギュア界に革新をもたらしたのだ。
高橋大輔さんは2014年に現役を引退した後も、プロスケーターとして素晴らしいステップを披露している。
強く美しいステップ。パトリック・チャン選手
カナダのパトリック・チャン選手は、フィギュアスケートのすべての要素で高得点を獲得できる選手だ。特にスケーティング技術の高さには定評があり、難しいステップも巧みなエッジさばきで軽々と踏んで行く。
パトリック・チャン選手のステップシークエンスは細かくて速く、非常に深いエッジを使うにもかかわらず、最後まで速度が落ちない。しなやかで強い演技は人々の心をとらえ、正確で美しいスケーティングは多くの選手から目標とされている。
世界選手権では2011年から3連覇を成し遂げ、2014年のソチオリンピックでは銀メダリストとなっている。
まとめ
基本的なステップとステップシークエンスについて説明した。
ステップシークエンスはプログラムのクライマックスに用いられることも多く、選手が思いをぶつけるように舞う。
どんなステップが組み合わされているのか、ぜひ足元にも注目してみてほしい。