ループジャンプとは?
ループジャンプは、他のジャンプでは着氷する時に使う足で踏み切るため、コンビネーションジャンプの2回目や3回目で跳ばれることの多いジャンプだ。
ただし、トウピックの助けなしに跳びあがるため、同じくコンビネーションジャンプで跳ばれることの多いトウループよりも難しいジャンプとされている。また、跳躍する瞬間には、いすに腰掛けた姿勢になるといわれている。
1910年にドイツのヴェルナー・リットベルガーさんが初めて跳んだとされていて、ヨーロッパではループをリットベルガーと呼ぶことが多い。2016年、羽生結弦選手が公式大会では初めて4回転ループジャンプに成功した。
豪快なループジャンプのイリーナ・スルツカヤ
イリーナ・スルツカヤさんは、円を描きながら片足のターンから入っていく流れが美しく、コマのような軸のしっかりとしたループジャンプが特徴だ。豪快で高さのある跳び方は、迫力満点で目を奪われる。
2000年のグランプリファイナルで3回転ルッツ・3回転ループのコンビネーションを女子フィギュア選手で初めて、公式の試合で成功させた。ヨーロッパフィギュア選手権大会での優勝回数7回や、グランプリファイナル優勝4回など、華々しい経歴の持ち主だ。
舞うような演技のアシュリー・ワグナー
アシュリー・ワグナー選手は、助走の時にも跳ぶ時にも、ほとんど左足を使っていないようなループジャンプが特徴だ。肩の高さにまで上げた腕を回転の瞬間に引きつける、理にかなった跳び方をしていて、非常にきれいに見える。
反時計回りで跳ぶ選手が多くいる中、時計回りで跳ぶのも特徴だ。また、表現力も豊かで、曲に合わせてまるで違う演じ方をしているのが魅力である。細かい動きまできっちり音楽に合わせ、その曲の世界に入り込んで舞っているような演技が持ち味だ。
安藤美姫、ループのコンビネーションジャンプ
安藤美姫さんは、どんなジャンプにもコンビネーションで3回転ループをつけてくるほどの卓越したジャンプ技術で、観客を魅了した選手だ。
しかし、2008-2009シーズンから回転不足に対するルールが厳密化し、女子選手の多くが回転不足で点数を下げられてしまう事態となり、コンビネーションジャンプの後半でループを使う選手が減ってしまった。傍目には非常に美しく見えるこのコンビネーションジャンプが見られなくなってしまったことは、ファンとして残念でならない。
ハン・ヤンの跳び方がきれいなループジャンプ
ハン・ヤン選手の腕を使って上半身を回すループジャンプは、力みが見えず幅と高さもあり、非常にきれいな跳び方をする選手である。左足もほとんど使っていないようなジャンプとは思えない迫力に目を奪われる。また、技のつなぎも自然で、伸びやかな演技が特徴だ。
2015年のグランプリシリーズ中国大会で羽生結弦選手と6分間練習中に衝突があったが、双方がその後に演じきったことで注目を集めた。日本語読みでエン・カン選手と呼ばれることもある。
まとめ
ひとくちにループジャンプといっても、さまざまな選手のものを見比べてみると、意外と違っているので好みが分かれる。
そんなループジャンプの特徴を知ったうえで、自分好みのループを跳ぶ選手を探してみて欲しい。