大変!織田信成選手の靴ヒモ事件
2010年バンクーバーオリンピックでの出来事だ。
ショートプログラムを4位で折り返した織田信成選手は、最終グループでの演技だった。実は、フリースケーティング当日の公式練習で靴紐が切れたのだが、交換することによって感覚が変わるリスクを心配し、切れた部分を結んでそのまま試合に臨んだのだ。
本番では、チャプリン・メドレーに乗せて軽快に4分半の演技を開始した。終盤まで順調だったのだが、最後のジャンプの後に紐がすべてほどけてしまい、遂に演技の中断を申し出て、結び直す事態となってしまった。
織田選手がリンクに戻ると、会場中が温かい励ましの手拍子で迎え、演技が再開された。大舞台でのこのようなアクシデントは珍しく、今でも語り継がれている。
伊藤みどり選手の華麗なる空中の旅
1989年のギネスブックに「最も高得点をとったフィギュアスケーター」として掲載された伊藤みどりさんは、すごいスピードから高いジャンプを跳び、その正確で質の高いジャンプで世界を驚かせた。女子フィギュアスケート史の転換点を作ったともいえる選手だ。
そんな伊藤選手のハプニングは、1991年の世界選手権で起こった。コーナー付近で連続ジャンプをした際、高く跳びすぎ、勢い余ってリンク外にあるカメラ席の方へ飛び出してしまったのだ。前代未聞のハプニングだったが、伊藤選手はすぐに戻り、何事もなかったかのように演技を続けることができた。
実は、ウォームアップの際に他国の選手と衝突事故が起こっており、万全の体調ではない中で出場した試合だった。そんなアクシデントやハプニングがありながらも、最後まで演技に集中した伊藤選手は、4位に入賞している。
氷上プロポーズ大作戦の結果は?
フィギュアスケートでペアを組んできた選手が演技終了後にプロポーズをする、というサプライズが行われたことがあった。
2008年の全米フィギュアスケート選手権で、2位で折り返したジョン・ボルドウィンさんと井上怜奈さんのペアが演技後に観客の声援に応えている最中のことだった。突然、ボルドウィンさんが片膝をつき、井上さんにプロポーズをしたのだ。このハプニングに気づいた観客は、もちろん大騒ぎだ。
大勢が静まり返って見守る中、イエスの返事をした井上怜奈さんの瞳には涙が光っており、会場中が温かい空気に包まれた。
全米中に中継された試合でのプロポーズシーンは大変有名になり、CM映像として使われたこともあるという、心温まるハプニングだった。
氷上プロポーズ大作戦!パート2
中国のペア、シュー・シェンさんとホンボー・ツァオさんは、ソルトレイクとトリノのオリンピックでメダルを取り、世界選手権でも優勝するという、世界的にもトップレベルのペアだ。そんなペアのハプニングは、2007年の世界選手権で起こった。
フリー演技終了後、ホンボー・ツァオさんが意を決して、リンク上で膝をつき、シュー・シェンさんにプロポーズしたのだ。これで最高にロマンチックなストーリーになるはずだったが、なんとシュー・シェンさんはプロポーズされたことをまったく認識できず、自分も同じように膝をついてそのまま観客に手を振って挨拶を続けていたのだった。
結局、ホテルに戻る途中で改めてプロポーズして、ハッピーエンドを迎えることになったが、まさかの空振りハプニングだった。
何を拾った?騒然となったハプニング
トリノで行われた2010年の世界選手権で、浅田真央選手がメダルを賭けてフリー演技を披露している最中のことだった。何かがリンクに投げ込まれたのだ。スピードに乗って演技に集中している選手が踏んでしまったら、単なる転倒では済まなくなるどころか、大ケガにつながる恐れもある大変危険な行為だ。
幸い、浅田選手は無事に演技を終えたが、演技終了後にその「何か」を拾い上げたのだ。その後、リングの外へ出た時に捨てたのだが、一体誰がやったのか、何を投げ入れたのか、何のためにと、再動画を見た人たちの間で騒然となった。歯ブラシだ、ビニル袋だと色々言われたが、実際は設営の不備によりイベントで使われるものが天井から落ちてしまったのだった。
そんな大きなアクシデントに動じることなく、ノーミスで金メダルを獲得した浅田選手の凄さを再確認させられた大会でもあったのだ。
まとめ
フィギュアスケート選手達が遭遇してしまったハプニングやアクシデントを紹介してきた。
心温まるものからハラハラしたものまで色々あるが、どんな状況でも観客を忘れずに声援に応えてくれる選手のみなさんに、心から尊敬の拍手を贈りたい。