フィギュアスケートとの出会い
宇野昌磨選手は、1997年に愛知県名古屋市で生まれました。中京大学附属中京高校を卒業後、2016年4月に中京大学へと進んでいます。
スケートを始めたのは5歳の時で、そのきっかけとなった「地元のスケートリンクで浅田真央選手に声をかけられた」という話は、フィギュアファンの間ではよく知られています。
練習でリンクに来ていた浅田選手に、当時まだ幼かった宇野選手は遊んでもらっていました。スケート教室でホッケー、スピードスケート、フィギュアのどれを選ぶかと問われたときに、「真央ちゃんと同じのにする」と言ってフィギュアにしたという微笑ましいエピソードも自身の口から語られています。
もはや敵なし。ノービスからジュニア時代。
2007年から2010年、全日本ノービス選手権で、宇野選手は自身のクラスですべて優勝しています。2011-2012シーズンはジュニアグランプリシリーズに参戦し、タリン杯で3位と大健闘しました。
2013-2014シーズンにはシニアクラスで出場したガルデナスプリング杯で初優勝に輝いています。
2014-2015シーズンは、アジアフィギュア杯で優勝した後、ジュニアグランプリシリーズ・クロアチア杯を優勝で勝ち上がると、ファイナルではジュニアの世界歴代最高得点を更新して金メダルを獲得します。
全日本ジュニア選手権でも優勝し、世界ジュニア選手権ではショートプログラムでジュニア初の80点台を記録して優勝と、名だたる大会を次々と制しました。
シニア移行後も表彰台に
2015-2016シーズンにシニアクラスへ移行した宇野選手は、コーセー・チームチャレンジカップで世界初の4回転フリップを成功させます。これはギネス世界記録に認定される出来事でした。
グランプリシリーズでは、スケートアメリカを2位、エリック・ボンパール杯を優勝で勝ち上がり、ファイナルでは銅メダルを獲得します。初参戦でファイナルの表彰台に上るのは、男子シングルでは宇野選手が初となる快挙でした。
2016-2017シーズンは、スケートアメリカのフリーで3本の4回転ジャンプを成功させて優勝に輝きます。
全日本選手権では初優勝を成し遂げ、四大陸選手権の日本代表の座も勝ち取りました。
四大陸選手権開幕。ショートで好発進
2月17日、宇野選手は最終グループの3番滑走で登場しました。衣装はラベンダーから深紫のグラデーションが美しく、白いリンクによく映えます。
バイオリンの音色が流れるとゆっくりと滑り出し、徐々にスピードを上げて4回転ジャンプへと向かいます。冒頭は高難度のフリップで、着氷で少しこらえるも成功させました。
4回転+3回転のコンビネーションジャンプはしっかりと着氷し、スムーズにスピンへとつなげます。トリプルアクセルは幅のあるダイナミックなジャンプで、最後はクリムキンイーグルからのスピンで決めました。
得点は史上4人目となる100点超えで、順位は2位と好位置です。
攻めのフリー。4回転ループに挑む
ショートから2日後、最終グループで登場した宇野選手は、黒地に炎のような赤が印象的な衣装です。リンクに立つと、強いまなざしで真っ直ぐに前を見つめました。
冒頭では初挑戦の4回転ループを見事に決め、続く4回転フリップも軽々と跳んで着氷します。高難度のジャンプ成功に歓声が沸き、3回転ジャンプやスピンでも大きな拍手が起こりました。
宇野選手は変化するタンゴのテンポに合わせ、メリハリのある演技で観客の心をつかみます。トリプルアクセルでは転倒もありましたが、4回転+2回転のコンビネーションジャンプも決め、得意のクリムキンイーグルと回転の速いスピンで終盤を盛り上げました。
転倒による減点があったものの3位と健闘し、四大陸選手権では初となる表彰台に上りました。
まとめ
今大会、宇野選手は4回転ループを試合で初めて跳び、そして成功させました。3種類の4回転ジャンプをコンビネーションも含めて4本跳び、高得点を獲得しています。
宇野選手はスピンとステップの評価も高く、今後の大会でも優勝争いに関わってくるに違いありません。
表現力にも定評がある宇野選手はまだ19歳です。どんな成長を遂げていくのか、世界中のファンが楽しみにしています。